反対咬合はいつから治療するか?
[2015年11月21日]
こんにちはMM歯科クリニック院長の山脇です。
こちらも最近よく患者様から質問を受けるので書いておきますが、反対咬合はいつからなおしたほうがいいのか?です。
3歳ごろ治療をするか、永久歯の交換まで待つか、二通りの考え方があります。私は乳歯列の完成後、聞き分けができてくる3歳を目途に早期に治療した方が良いと考えています。反対咬合のまま永久歯の交換を待つと、顎の骨がそれに順応して、上顎は奥に引っ込んだ形、下顎は前に出た形になってしまいます。永久歯は乳歯の下から生える訳ですから、永久前歯も反対咬合の可能性が高くなります。
早期に反対咬合を改善しておけば、前歯が永久歯に変わる小学校2年生ごろまでの5年間ほどを、正常な噛み合わせで過ごせるので顎骨も正常に育ち、その場所に生える永久前歯も正常咬合が期待できます。
反対咬合の筋機能上の問題点は、次の3点と考えられています。「タイトな上口唇」、「ルーズなオトガイの緊張」そして、「低位舌」です。「タイトな上口唇よる圧力」は、上顎の水平方向への成長を抑制する様に、後方に引き戻す力として機能していると考えられます。それに反し、「ルーズなオトガイの負の圧力」は、下顎骨の前方への成長を、許容していると考えられます。そして、「低位で機能する舌」は、嚥下の都度、下顎骨を前方に押し出す圧力として機能すると考えられています。
患者様の了承を得られたので、当院にておこなった早期処置治療例の反対咬合のケースを載せておきますが、この子は3歳の女の子です。
マウスピースタイプの装置を睡眠時に入れてもらいました。慣れるまで1ヶ月はかかるかと思いましたが、お昼寝の時間も入れて寝ていたようで、ご両親の協力もあり3週間で反対咬合は改善しました。
マウスピースに慣れるまで時間のかかる子もいますが、慣れてしまえば入れているのが当たり前になり早期に改善が見られます。
良い歯並びを得るのが目的ではなく、正常な発育と正常な口腔内にするのが目的です。