子供の麻酔、体への影響は?

[2024年10月12日]

今回は子供の歯科治療をするときの麻酔は体に悪影響があるのかについて説明していきます。

子供が麻酔をするのは主に歯の治療をするときと乳歯を抜くときです。
歯の治療や歯を抜くときの痛みをなくすために麻酔をおこないます。
歯科治療で子供に使われる麻酔には大きく分けて3つ、局所麻酔、笑気麻酔、全身麻酔があります。
今回はこれら3つの麻酔方法について解説します。

目次

  • ◯麻酔の種類
    •  ◆局所麻酔
    •  ◆笑気麻酔
    •  ◆全身麻酔
  • ◯麻酔を使うメリット・デメリット
    •  ◆メリット
    •  ◆デメリット
  • ◯麻酔した後の注意点
    •  ◆食事について
    •  ◆咬傷
  • ◯まとめ

麻酔の種類

局所麻酔

局所麻酔には表面麻酔と浸潤麻酔があります。
表面麻酔はクリーム状、ジェル状で歯ぐきの粘膜に塗るものが多く、浸潤麻酔は針で直接歯ぐきに刺します。
浸潤麻酔の針は細いので痛みはほとんどありませんが、歯科治療の経験がない子供は針で刺す小さな痛みにも恐怖を感じることがあります。
そのため、子供の場合は浸潤麻酔の針の刺激を感じないようにするために、まずは表面麻酔を塗ることが多いです。

笑気麻酔

笑気麻酔とは正式には「笑気吸入鎮静法」といい、文字通り笑気を吸ってもらい気持ちを落ち着けさせる麻酔法です。
笑気麻酔は全身麻酔でも使われる麻酔薬ですが、外来の歯科治療で使われる場合は濃度が30%未満であることがほとんどです。
ガスを吸入して5分ほどでうとうとし始め、ガスを切って数分たつと意識がはっきりしてきます。
血中から排出されるのが早いため、副作用のリスクが低く、歯医者が怖くて治療できないという子供にも安全に使用することができます。

全身麻酔

子供の深い場所にある過剰歯の抜歯や、障害があったりどうしても暴れて治療ができないという場合は全身麻酔で治療することがあります。
全身麻酔は大学病院や地域の大きな施設で行うことが多く、歯科医院でする麻酔は局所麻酔や笑気麻酔であることがほとんどでしょう。

麻酔を使うメリット・デメリット

メリット

痛みの緩和

子供の歯科治療で麻酔を使用する一番のメリットは、痛みを緩和することです。
歯を抜いたり歯の根の治療をするときは、麻酔を使わなければ必ず痛みを伴います。
できるだけ子供の痛みを和らげられるように、麻酔を使用します。

体の負担を和らげる

歯医者に行ったことがあまりない子供は、歯医者に対してネガティブなイメージを持っていることが多く、その多くは痛みに対しての不安です。
麻酔によって痛みが緩和できれば、子供の中の「歯医者は痛い」というイメージをなくすことができるため、麻酔を有効活用することで子供が安心して治療することができます。

デメリット

針を打つときに痛みがある

麻酔では細い針を使用しますが、刺すときのちくっとした痛みがあります。
この痛みを少しでも和らげるために、表面麻酔を使用することができますので、痛みに対して恐怖心が強い場合は事前に相談してみてください。

偶発症が起こることがある

局所麻酔を打った際、強い恐怖心で血管迷走神経反射や過換気症候群になることがあります。
最も多いのは血管迷走神経反射で、神経性ショックとも呼ばれます。
起きた場合は、酸素を吸って横になれば回復します。
過換気症候群は、過呼吸や手足のしびれを伴い、ゆっくり呼吸することで治まります。
これらの偶発症は恐怖心が原因なので、麻酔を打つ前に恐怖心をなくすことが重要です。

麻酔した後の注意点

食事について

麻酔は治療後1〜2時間ほど効いているため、その間は口の中の感覚がほとんどありません。
そのため、食事をするときに舌や頬を噛んでしまうことがあります。
また、温度感覚も鈍るので、熱いものを口に入れて火傷をしないよう注意が必要です。

咬傷

麻酔は歯とその周りの唇や歯ぐきまで効果が及びます。
特に低年齢の子供や、初めて麻酔を受ける場合、麻酔によるしびれに興味を持ち、触ったり噛んだりしてしまうことがあります。
これを繰り返して大きな傷を作ってしまうと、麻酔が切れた後に激しい痛みを伴うことがあります。
ひどい場合は縫合が必要になることもあるため、麻酔後は口元を触らないよう注意しましょう。

まとめ

今回は子供の麻酔について解説しました。
基本的には安全な麻酔ですが、いくつか注意が必要な点があります。
麻酔について不安がある場合は、治療前に歯科医師に相談してください。
当院では、麻酔に関するご質問や治療についてもお気軽にご相談いただけます。



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