赤ちゃんの歯を守るマイナス1歳からの小児歯科

[2024年08月18日]

お子さんの虫歯予防っていつ頃から始めるのがいいと思いますか?
乳歯が生え始めてからだと思いますか?
それとも、生まれた後のまだ乳歯が生えていない時期だと思いますか?
実は、おすすめなのは、それよりもずっと前、生まれる前からです。
今回は、マイナス1歳からの小児歯科についてご紹介します。
この記事を最後までお読みいただければ、マイナス1歳から小児歯科を受診する意義がお分かりいただけると思います。

目次

◯マイナス1歳ってどういうこと?
◆マイナス1歳”とは?
◆マイナス1歳から”の理由
◯マイナス1歳からなにをするの?
◆母親のお口の環境を整える
◯マイナス1歳からの小児歯科の効果
◆虫歯菌の感染時期を遅らせる
◆虫歯菌の感染のきっかけを減らせる
◆フッ素を早い時期から利用できる
◯まとめ

マイナス1歳ってどういうこと?

最初に、マイナス1歳の意味について解説します。

”マイナス1歳”とは?

マイナス1歳ってどういうこと?って思われる方がほとんどだと思います。
マイナス1歳とは、生まれる前、そうです、お母さんのお腹の中にいる時期を指しています。
妊娠期間は、1年弱ですから、妊娠したことがわかった時期、すなわち生まれる前1年という意味で、マイナス1歳と表現しています。

”マイナス1歳から”の理由

乳歯は、6ヶ月ごろから生え始め、1歳半ごろに16本、3歳ごろに20本すべての乳歯が生え揃います。
生え始めるのが6ヶ月を過ぎてからなので、乳歯が作られ始めるのは生まれてからと思われそうです。
ところが、実は乳歯は妊娠の初期、具体的には7週目くらいから作られ始めていることがわかっています。
つまり、”お子さんの歯を守る”ということは、生まれる前から始まっているのです。

マイナス1歳からなにをするの?

お腹の中にいる頃から歯が作られ始めるからといって、お腹の中にいる赤ちゃんに直接、虫歯予防をすることはできません。

母親のお口の環境を整える

マイナス1歳から何をするのか、それはお母さんのお口の中の健康管理です。

▶︎健康教育

虫歯の原因は、虫歯菌です。
虫歯菌というとストレプトコッカス・ミュータンスが有名ですが、実はそれ以外にもたくさんいることがわかっています。
生まれた直後のお子さんのお口の中には、虫歯菌はいません。
生まれてから成長する過程で周りの人から虫歯菌が入り込み、お口の中に定着します。
特に入り込みやすい時期が、1歳7ヶ月~2歳7ヶ月の時期です。
また、虫歯予防には歯磨きだけでなく、フッ素もとても効果的ですし、食事の仕方も大切です。
こうしたことを、お子さんが生まれる前から、お母さんを含め、ご家族の方に積極的に説明します。

▶︎お口のケア

妊娠中は歯やお口のトラブルが増えます。
えずきやすくなることで、歯磨きが難しくなることも理由の一つですし、ホルモンバランスの変化も関係していると言われています。
そこで、歯科医院では歯のクリーニングや歯磨き方法の説明などを通して、お母さんのお口のケアに取り組んでいます。
お口の環境を整えれば、虫歯菌などのお口の中の細菌を減らせます。

▶︎お母さんの虫歯のチェック

治療していない虫歯がある方は、そうでない方よりも虫歯菌の数が多くなります。
虫歯は妊娠前に治しておくほうがいいのですが、妊娠で歯磨きが難しくなり虫歯になる方もいらっしゃいます。
出産後は、歯科医院に通うのも難しくなります。
お母さんの虫歯の有無をチェックして、虫歯が見つかった場合には適切な治療を行い、虫歯菌を減らします。
ただし、妊娠中は、虫歯治療ができるのは基本的に中期だけなので、妊娠がわかったら、早めの虫歯チェックをおすすめしています。

マイナス1歳からの小児歯科の効果

”マイナス1歳”からの取り組みは、虫歯を防ぐ効果がとても高いです。

虫歯菌の感染時期を遅らせる

虫歯菌がお子さんのお口の中に入り込むこと自体を防ぐことはたいへん困難です。
ですが、入り込む時期を遅らせることはできます。
入り込む時期が遅くなればなるほど、虫歯になりにくくなることがわかっています。
入り込む時期が遅れれば、虫歯菌以外の細菌が定着しているので、お口の中の細菌の中で虫歯菌が占める割合が低くなるからです。
虫歯菌が入り込む時期を遅くすることは、お子さんの虫歯リスクを大きく下げます。

虫歯菌の感染のきっかけを減らせる

周囲の方に虫歯菌が多いとそれだけ虫歯菌が入り込みやすくなります。
お子さんが生まれる前から、お母さんのお口のケアや虫歯治療などを通して虫歯菌の数を減らしておくと、ご自身だけでなく、お子さんの虫歯リスクも減らせます。

フッ素を早い時期から利用できる

フッ素の効果、フッ素の利用法を早い時期から知っていれば、それだけ早くお子さんにフッ素を利用できます。
フッ素の利用機会が増えるだけでなく、利用時期を早めることで、お子さんの歯を早い時期から虫歯になりにくい強い歯に変えていくことができます。

まとめ

今回は、マイナス1歳からの小児歯科についてお話ししました。
マイナス1歳とは、生まれる前からという意味です。
生まれる前から虫歯予防に取り組むことで、一生、健康な歯で過ごせる可能性が高まります。
健康な歯で過ごせるということは、健康な体づくりの第一歩です。
当院は、お子さんの虫歯予防に、生まれる前から積極的に取り組むことで、お子さんの歯の健康を守っています。
妊娠したことがわかったら、当院にぜひお越しください。
当院で、一緒にお口の健康増進に努めませんか?



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