子どもの抜歯が必要なときと、抜歯せず放置するリスク?

[2023年12月16日]

こんにちは

私たち人間は、乳歯から永久歯へと生え変わるとき、乳歯が抜けます。

自然に抜けることもあれば、歯医者さんで抜いてもらったという方もいらっしゃることでしょう。

ですので、小児歯科で歯を抜く=生え変わりのためと思う方がとても多いです。

確かにそうなのですが、小児歯科では、永久歯に生え変わるため以外の理由でも、歯を抜くことがあります。

今回は、小児歯科での抜歯についてお話しします。

 

目次

◯子どもの抜歯が必要となるケース
次の永久歯の邪魔になる乳歯
虫歯があまりも深くなった歯
折れた歯
余分な歯
いつまで経ってもグラグラしない乳歯
病巣感染源となるかもしれない歯
◯抜歯しなければならないのに抜歯しなかったら・・・
 ◆永久歯の歯並びが悪くなる
永久歯の成長が悪くなる
永久歯が生えこない
◯まとめ

子どもの抜歯が必要となるケース

子どもの抜歯はどのようなときに行われるのでしょうか。

抜歯が必要なケースについて解説します。

 

次の永久歯の邪魔になる乳歯

最も多い抜歯の理由がこれです。

そして、みなさんが子どもの抜歯の理由としてイメージするのもこれですね。

例えば、乳歯の横の歯肉から永久歯が斜めに顔を出しているようなときが当たります。

乳歯を抜歯して取り除くことで、永久歯がスムーズに生えてこられるようにします。

 

虫歯があまりも深くなった歯

乳歯の虫歯も、極力虫歯治療で治します。

詰めもの治療では治せないような虫歯も、根の治療をして治します。

ですが、歯根の広い範囲まで虫歯が進んでしまうとそういうわけにはいきません。

虫歯治療などその他の治療法で治せないほどに虫歯が進んでしまった歯は、乳歯や永久歯に関係なく、抜歯します。

 

折れた歯

ケガや事故などで、歯を強く打った場合、歯が欠けたり折れたりすることがあります。

歯冠部分が欠けたり折れたりする程度なら、残す方法はたくさんありますが、歯根が折れてしまうとそういうわけにはいきません。

折れた歯根をくっつける方法は今のところありません。

すなわち、治す方法がないので、原則的に抜歯します。

 

余分な歯

正しい歯の数を上回る余分な歯を過剰歯と言います。

過剰歯が生えている、もしくは生えていなくて骨の中に埋まったままになっていると、過剰歯が他の正常な歯が生えてくるのを邪魔してしまいます。

そして、きちんと歯が並ばなくなるので、歯並びが悪くなる原因になります。

代表的なのは、正中過剰埋伏歯という上顎の前歯の間に埋まっている過剰歯です。

これがあると、前歯と前歯の間に隙間ができてしまいます。

このように、歯並びにとって邪魔でしかない余分な歯は、抜歯して取り除きます。

 

いつまで経ってもグラグラしない乳歯

反対側の歯は生え変わっているのに、いつまで経ってもグラグラしない乳歯をレントゲン写真で確認すると、次に生えてくる永久歯の頭の部分に嚢胞という出来物が見つかることがあります。

そのようなときは、永久歯が生えてきやすいように、嚢胞を取り除かなくてはなりません。

そのためには、乳歯の抜歯が必要なので、乳歯を抜歯して同時に嚢胞を取り除きます。

 

病巣感染源となるかもしれない歯

例えば、白血病の治療で化学療法(抗がん剤治療)を受ける場合、副作用で免疫力が下がります。

もし、歯の根の先に根尖病巣という膿だまりができていると、化学療法を受けていないときはなんともなくても、免疫力が下がった途端に腫れたり痛くなったりすることがあります。

このように、全身的な病気の治療で、免疫力が低下するなどにより、症状が急に悪化することが予想されるような場合は、あらかじめ抜歯することもあります。

 

 

 

抜歯しなければならないのに抜歯しなかったら・・・

もし、抜歯しなければならないような歯を残しておいたらどうなるのでしょうか。

 

永久歯の歯並びが悪くなる

乳歯が長い間残ったままになっていると、永久歯が生えてこられなくなります。

それでも永久歯はどこかに出てこようとします。

その永久歯は、前と後ろの歯の間という正しい位置ではなく、横から出てくるなど、よくない場所に出てくることになります。

すなわち、抜歯しなければならない乳歯を無駄に長い間、残しておくと、永久歯の歯並びが悪くなってしまう原因になるわけです。

 

永久歯の成長が悪くなる

乳歯の虫歯が大きくなりすぎ、根の治療で治せないくらいにまで進んでしまうと、抜歯しなければなりません。

しかし、抜歯を嫌がり、そのままにしておくと、根の先に膿がたまり始めます。

困ったことに、膿だまりのあたりには、永久歯が成長し続けています。

成長途上の永久歯に細菌感染が生じるので、生えてきた永久歯の形や色に異常が生じる原因になります。

 

永久歯が生えこない

永久歯に嚢胞ができているために乳歯が残ったままとなり、生え代われないとき、そのまま放置しているといつまでたっても永久歯が生えてこれません。

 

まとめ

今回は、子どもの抜歯についてお話ししました。

小児歯科では、乳歯から永久歯への生え変わり時の乳歯の抜歯以外にもさまざまな理由で抜歯が行われます。

もし、必要な抜歯を受けず、そのまま放置していると抜歯しなければならない原因によって、永久歯の歯並びが悪くなったり、永久歯の形や色が悪くなったりします。

ですので、抜歯が必要だと判断されたときは、放置せずなるべく早く抜歯する方が、長い目で見れば利益が多くなります。

当院は、お子さんの抜歯の専門知識や治療経験の豊富な歯科医院です。

お子さんの抜歯について、気になることがある方は当院でぜひご相談ください。

 



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