全然違う子供さん向けと大人向けのマウスピース矯正との違い

[2023年01月28日]

こんにちは

 

最近、新しい大人の方向けの矯正治療法として、マウスピース矯正に注目が集まっています。

従来型のブラケットとワイヤーを使う矯正治療法にはない多くのメリットによって、シェアも年々拡大しています。

一方、子供の矯正治療でも、マウスピースを使う方法もあります。

 

子供向けのマウスピース矯正と大人のマウスピース矯正では、方法も効果も全く違います。

両者の間にはどのような違いがあるのでしょうか。

今回は、子供さん向けのマウスピース矯正と大人のマウスピース矯正の違いを中心にお話しします。

 

子供向けのマウスピース矯正は機能的矯正装置

子供向けのマウスピース矯正は、筋肉の働きを整えて顎の成長発育を理想的な方向に進めることを目的としているもので、機能的矯正装置とも呼ばれています。

したがって、対象となる年齢も子供ならどの年齢の方でもいいというわけではなく、おおむね10歳ごろまでの永久歯に生え変わる前の成長発育が旺盛なお子さんを対象としています。

なお、この目的を達成するため、マウスピースの使用に加えて、お口の周囲の筋肉のトレーニングも一緒に行われることが多いです。

 

マウスピースの違い

大人のマウスピース矯正と子供のマウスピース矯正でのマウスピースの違いをご説明します。

 

治療目的の違い

大人のマウスピース矯正は、現在の歯並びをきれいに整えて、お顔つきや口元の外見をきれいにすることを目的にしています。

一方、意外と思われるかもしれませんが、子供のマウスピース矯正は現在の歯並びをきれいに整えることを目的としているわけではありません。

子供のマウスピース矯正が目指すのは、将来の子供の歯並びです。

わかりやすくいうと子供のマウスピース矯正は、お子さんの歯並びが、将来きれいになるように、そのベースを整えているといった感じです。

 

作り方の違い

大人のマウスピース矯正用のマウスピースは、治療を受ける方ひとりひとり、歯型をとってオーダーメイドで作ります。

したがって、出来上がったマウスピースは、世界に一つとないマウスピースになります。

これが治療費が高くなる理由のひとつです。

対して、子供のマウスピース矯正でのマウスピースは、既製品です。

大量生産の既製品を利用するので、子供のマウスピース矯正の治療費は、大人よりも低く抑えられています。

 

マウスピースの形の違い

大人のマウスピース矯正で使うマウスピースは、薄くて透明度が高いです。

このため、一見してもつけていることがわからないほど、目立ちにくくなっています。

また、上顎につけるマウスピースと下顎につけるマウスピースは、分かれています。

一方、子供のマウスピース矯正で使うマウスピースは、色がつけられている上、分厚く作られています。

そして、上顎と下顎のマウスピースがくっついた一体型に作られているので、大きいです。

もちろん目立ちます。

 

フィット感の違い

大人のマウスピース矯正用のマウスピースは、硬く作られており、歯にしっかりと密着していますので、慣れるまでは付け外しを難しく感じる方もいらっしゃいます。

一方、子供のマウスピース矯正用のマウスピースは大人のそれのように歯にタイトにフィットするわけではなく、やや緩めの作りになっています。

このため、子供さんでもご自身でつけたり外したりが簡単です。

 

マウスピースの使用法の違い

大人と子供では、マウスピースの使い方にも違いがあります。

 

マウスピーつの使い方の違い

大人のマウスピース矯正では、マウスピースを定期的に新しいものに順次交換していくことで、歯を移動させるようになっています。

基本的には、マウスピースを交換すると、前段階のマウスピースは使用されなくなります。

それに対し、子供のマウスピース矯正では、ひとつのマウスピースを長く使います。

使い方も、大人と子供では違うのです。

 

マウスピースの使用時間の違い

大人のマウスピース矯正で使うマウスピースは、一日20~22時間以上付け続けなければ、歯を移動させる効果は得られません。

食事や歯磨きを除いた時間は、ずっと付け続けるものと思っていただいても間違いではありません。

一方、子供のマウスピース矯正用のマウスピースは、1日1時間程度、もしくは寝ている間だけの使用で効果が得られます。

お家にいる時間だけで十分効果が得られるので、日中、学校にいるときは使いません。

 

使用期間の違い

大人のマウスピース矯正は、治療に2年前後かかることが多いです。

したがって、マウスピースの使用期間もそれくらいです。

子供のマウスピース矯正は、大人のそれほど長期にわたって使うわけではありません。

多くのお子さんが1年ほどで治療の効果が現れますので、使用期間もそれくらいです。

 

効果の違い

大人のマウスピース矯正では、生えている歯を移動させ、歯並びや上下の歯の噛み合わせを整えます。

一方、子供のマウスピース矯正の効果は、もっと多いです。

具体的には”歯並びを悪くする癖を治す””歯を並べるためのスペースを確保する””歯の位置を整える””歯並びの後戻りを防ぐ”などです。

これらの効果が、子供のマウスピース矯正のマウスピースが機能的矯正装置とよばれる理由です。

 

まとめ

今回は、子供用のマウスピース矯正について、大人のそれとの違いを中心にお話ししました。

子供向けのマウスピース矯正で使うマウスピースは、子供のお口や舌の筋肉などの働きを整えることで、顎の骨格の成長発育をコントロールする機能的矯正装置のひとつです。

このため、大人向けのマウスピース矯正で使うマウスピースとは構造も仕組みも、使い方も全く異なります。

当院は、大人だけでなく、子供さんの矯正治療の専門知識や治療経験を豊富に持つ歯科医院です。

もし、お子さんの矯正治療でマウスピースを使ってみたいと思う方は、当院でぜひご相談ください。



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