お子さんの歯を守るケア方法
[2022年06月21日]
子どものデンタルケアってどうすればいいの?
こんちには! MM歯科院長 山脇です。
親御様の中に、
「子どものデンタルケアってどうしたらいいのかよくわからない」
と感じている方いらっしゃいませんか?
診療でも、
・今のデンタルケアの方法であっているのかわからない
・子どもならではの特に気をつけることってあるの?
などの質問をうけること多々があります。
そこで今回はお子さまのデンタルケアについて、これらのよく聞かれるような質問と併せて、効果的な予防方法について少し詳しくお話していこうと思います。
何歳からデンタルケアをスタートすればいい?
ご自宅でのケア(ホームケア)の場合
デンタルケアをスタートする年齢については決まりはありません。
ただ、下の乳歯の前歯が生えてくるのは
生後6か月頃で、この時期に歯磨きでデンタルケアをスタートすることをおすすめします。
一方で、小さいお子さまはお口の中を触られるのを非常に嫌がります。
そのためできれば、
まだ歯が生えていない時期から、ガーゼで少し口腔粘膜を拭ってみる、触れてみる
などで少しずつお口の中に物が入る感覚に慣れるようにしてあげると、歯磨きにもスムーズに応じてくれるでしょう。
歯科医院でのケアの場合
歯科医院でのケアもスタートする時期については特に決まりはありませんが、こちらもできる限り早い時期からかかりつけ医を持ち、定期的に予防処置をしてもらう方が良いでしょう。
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歯科医院の予防で主に行うのは、
歯にフッ素を塗るフッ素塗布
と呼ばれるもので、歯科医院で使用するフッ素は、市販されている歯磨き粉に含まれるフッ素濃度よりも高濃度なので予防効果が非常に高いことがメリットです。
もちろん、高濃度のフッ素は歯科医師の管理のもとで歯に塗布を行いますので、安全性にも問題ありません。
また、歯科医院でのデンタルケアを早めにスタートすると、万が一虫歯が出来てしまった場合でも、歯科医院やお口の中を触られることに対して抵抗がないのでスムーズに治療に入っていける、というメリットもあります。
歯磨き粉は使った方がいいの?
歯磨き粉が苦手なお子さまは少なくありません。
歯磨き粉を使わせたい親御様もいらっしゃいますが、
結論として、
歯磨き粉を使用しなくてもプラークと呼ばれる汚れ(細菌の塊)が除去できていれば問題ありません。
一方で、市販されている子ども用の歯磨き粉のほとんどにはフッ素が含まれています。
このフッ素は、歯の質を強くする、虫歯の菌から歯を守る、弱った歯の表面を修復する、などの効果があります。
歯磨き粉を使用することで、こういった予防効果が得られるというメリットは非常に大きいので、可能であれば使用したいところです。
また、フッ素の濃度や体に与える影響についてはかつて議論されていたこともありますが、今は安全性が確認されています。
1回で使用する量の目安として、
・0-3歳で1-3㎜
・3-5歳で3-5㎜
・6歳以上で1.0cm程度 が目安です。
歯磨きの後のうがいも1回程度にし、フッ素をお口の中に出来る限りとどめておくとより効果的とされます。
そして、この量の歯磨き粉であれば、飲み込んでしまったとしても体に害はありません。
心配であれば、うがいができるようになってから歯磨き粉の使用デビューでもいいかもしれません。
子ども用歯磨き粉にはフレーバーの種類も多く、またパッケージも子どもに人気のキャラクターやイラストが描かれているものもあります。歯磨き粉を苦手としているお子さまには、自分で歯磨き粉を選ばせてあげることで、自分からすすんで使うようになることもあります。
このように、お子さまがデンタルケアに対してネガティブにならないようにサポートすることが重要です。
おやつは時間を決める
子どものデンタルケアには、「食事やおやつの取り方」も含まれます。
お口の中は、食事をした後、酸性に傾きます。
この酸性の状態が虫歯のリスクを高めます。
ただ、お口の中は歯磨きをすることや唾液の成分によって酸性→アルカリ性の状態に戻っていきます。
このようにアルカリ性に戻ることで再石灰化が起き、弱った歯も修復され、虫歯にならずに済みます。
このサイクルを維持することが大切なのですが、おやつを食べる、間食する機会が多くなるとお口の中はずっと酸性のままになり、アルカリ性にもどる暇がありません。
つまり、虫歯のリスクが高いままの状態が続くになってしまのです。
特に乳歯は永久歯に比べて歯の質が弱く、一度虫歯になると進行が非常に速いので注意が必要です。
このように間食は子どもにとって栄養を補給する上で必要なことですが、取り方を誤ってしまうと虫歯リスクを高めてしまいます。
ポイントは
①時間を決めてとる
②だらだらと食べない
③間食の内容もお砂糖を多く含まないものをとる
ことです。
仕上げ磨きは何歳まで必要?
お子さまの仕上げ磨きを毎日されている親御様も多いと思いますが、仕上げ磨きは何歳まですればいいんだろう?と思っている方もいらっしゃると思います。
仕上げ磨きについては、できれば小学校高学年までは続けることをおすすめします。
3歳頃は乳歯列期が完成し、隣の歯との間に虫歯ができるリスクが一気に高まります。
6歳頃には、一番奥の乳歯のさらに奥に6歳臼歯が歯茎をやぶって生えてきます。
この時期は、奥歯に汚れが残りやすく、歯肉の腫れ、痛みで来院するケースが増えます。
8-9歳頃になると、今度は乳歯から永久歯への生え変わりの時期がきます。
乳歯がグラグラすることでうまく磨けず汚れが残りやすい、あるいはまだ少ししか生えていない歯が磨きにくい、という状況になります。
そしてこの生え変わりが落ち着くのが12歳頃です。
このように、乳歯から永久歯への交換期は子どものお口の中がダイナミックに変化します。
そのため親御様の仕上げ磨きや目でのチェックがこの時期は非常に大切です。
まとめ
セルフケアの習慣を
子どもの頃に身につけることが大切
子どものデンタルケアについてお話してきましたがいかがでしたでしょうか。
このように、小さい頃から親御様がお子さまのデンタルケアをサポートしてあげることは、お子さまのお口の中への関心を高めることになりますし、なによりセルフケアの習慣化にもつながります。
大人になったときにセルフケアがきっちりできていることで何歳になっても健康な歯を維持することができます。
是非今回のお話したポイントを参考に、お子さまのデンタルケアに生かしていただければと思います。