子どもの矯正治療中、注意したいポイントとは?

[2022年05月21日]

子どもの矯正治療中、気をつけることは?

お子さんが矯正治療をしているもしくは検討中の親御様、矯正治療が実際どのようなものかご存じですか??

矯正治療ではお口の中に装置が入りますが、実はこの装置は非常に繊細な作りとなっています。そのため、日常生活で気をつけるべきポイントがいくつかあります。

一般的には子ども、成人に共通して矯正治療中に気をつけることとして、以下のポイントがあげられます。
・食事内容
・オーラルケア
・矯正中に起こる痛み

子供と大人の矯正治療の違いについては、こちらをご確認ください。

実際の子供と大人の矯正治療の違いについて 治療中・治療後の注意事項

そしてこれらに加えて、子どもの矯正治療の場合は、矯正治療に対するモチベーションを維持していくことも非常に重要なポイントです。

今回は、本格的に矯正治療をスタートするお子さまや、既に矯正治療中のお子さまの親御様、また矯正を検討している方に向けて、これらのポイントをさらに詳しくまとめてみました。

そもそも小児矯正が必要かどうかについては、下記にまとめてありますので、こちらをご確認ください。

子どもの矯正治療って本当に必要?

日常生活で気にしておきたいこと

食事内容には工夫を

矯正中は、食事の内容に気をつける必要があります。
おせんべいなどの硬いもの、ガム、キャラメル、お餅など歯にくっつきやすい粘着性の高い食べ物は控えなければなりません。

ワイヤー矯正の場合、歯に固定されている装置に引っかかったり、外れたりするリスクがあるからです。

ただ、お子さまの場合、食事は栄養補給だけでなく、食べる楽しみを味わう場でもあります。その機会を奪わないようにすることも大切です。

硬めのものを食べるときは出来るだけ小さくするなどの工夫をして、出来る限り矯正治療が苦にならないように配慮してあげる必要があります。

甘いものや間食を控える

食事内容とも関係しますが、ワイヤー矯正のように歯に装置が固定されている場合、どうしても食べ物が装置に引っかかったりして食べかすが残りやすく、矯正治療していない時に比べて虫歯リスクが高くなりがちです。

そんな中で、砂糖が多く含まれる食べ物を多くとるとその分さらに虫歯リスクが高くなります。
ブラッシングなどのお手入れをしっかり出来れば問題ないのですが、それでも矯正治療中は元々虫歯になるリスクが高い環境であることは知っておかなければなりません。
特に、お子さまの場合、学校帰りや習い事に行かれる際などのちょっとしたおやつや間食の機会があることも多く聞かれます。

外出先で食べた後のブラッシング時間がしっかり取れない場合は、おやつや間食の内容もなるべく虫歯になりにくいものにするなど、親御様の方で気にかけてあげる必要があります。

オーラルケアは親も一緒に

上でも説明したように、虫歯になるリスクは矯正治療中は高くなります。
せっかく歯並びや咬み合わせを綺麗に整えているにもかかわらず、虫歯になってしまうのは非常に残念なことです。
そのため矯正治療中は、オーラルケアが非常に重要です。

特に装置がついてワイヤーが通っている場合は、歯ブラシだけでは不十分で、スポンジがついたフロス、歯間ブラシ、毛先が筆のようになったワンタフトブラシなど、補助的な清掃道具も必要です。

歯科医院で指導される矯正中のオーラルケア方法は、お子さまだけでなく親御様も理解しておくことが大切です。

またお子さまの場合、大人と違って手先がまだ器用ではないこと、意識的にケアできないことから、親御様から仕上げ磨きも取り入れて積極的にケアに関わっていく必要があります。

矯正治療中の痛みへの対応

矯正治療中の痛みとして多く聞かれるものは以下の通りです。

装置が粘膜にあたって痛い

装置をつけた直後はどうしても違和感がありますが、日を追うごとに慣れて落ち着いてくることがほとんどです。
ただ、口を動かすたびに毎回装置に引っかかって痛い、傷ができる、などがあれば調整が必要になります。

歯が動くことによる痛み

大人、子どもに限らず、矯正治療中は歯を動かす際の痛みがやはり出ます。
歯が動き始めた時の痛み、咬んだ時の痛みは数日すれば落ち着いてきますので、経過観察することがほとんどです。

痛みが気になる方には痛み止めを服用してコントロールしてもらうことがあります。

一方で、矯正治療を進めていくと咬み合わせも変化してきます。
その変化の中で、部分的に咬み合わせが強くなって痛みが出ることもありますので、その場合は咬合調整を入れることもあります。

ただ、そんな中でも、歯にズキズキするような痛みがある、または知覚過敏のようなしみる感覚が強い、などの症状の場合は、動かす力を調節した方がいい場合があります。

子どもが訴える痛みの原因がわからない

お子さまの場合、痛みを訴えてもその痛みの原因が何なのか、お子さまも上手く伝えられず親御様でも判断がつかない場合もあります。
その場合は、ご自身で判断せずにかかりつけ医に相談することをおすすめします。

お子さまの矯正治療のモチベーションを維持する

大人の矯正治療と子どもの矯正には矯正に対する意識に大きな違いがあります。
大人の矯正治療の場合、本人の「治したい」という矯正への高いモチベーションのもと治療がスタートします。

一方で小児矯正の場合、親御様が子どもの口元が気になった、かかりつけ医に将来的な子どもの歯並びの悪化の可能性を指摘された、などをきっかけにスタートすることが多いです。

子どもが自分から矯正治療を受けたいと申し出るケースはそう多くなく、大人と異なりモチベーションが維持できずに中断してしまうこともあります。

このように、小児の矯正治療は、お子さま本人が「矯正をやらされている」という感覚を持ってしまうとなかなか上手く進みません。

特に、小児矯正では取り外し式の矯正装置が多くあります。
取り外し式の装置の場合、意識的に装置を使用しなければ効果が得られないことや、決まった装着時間を確保したり、自分で装置のネジを回転させたり、といった課題があります。

お子さま本人にしっかりと矯正の目的や必要性、どういったメリットがあるのか、理解を得てからスタートすることで、治療もスムーズに進みやすくなります。

そして、その矯正治療が生活の一部になるように日頃から親御様からサポートしていくことも重要です。

ここまで矯正治療における注意点等をお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか。

今現在矯正中の方も、これから治療を始める方も、今回ご紹介したポイントを参考に、お子さまと是非一緒に矯正治療に取り組んでいただければと思います。



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