子どもの乳歯の生えかわりについて

[2022年02月14日]

こんにちはMM歯科クリニック院長の山脇です。

幼児期にお子様の子どもの歯は大人の歯に生えかわります。

親としては、
「いつ抜けるのか?」「何本抜けるのか?」「トラブルが起きないか?」
など心配なことがたくさんあるのではないでしょうか?

今回は、乳歯の生えかわりについて詳しくご紹介いたします。

〈乳歯は何本あるの?〉
乳歯のもとになる歯のたまご(歯胚、しはい)は妊娠7~10週目につくられます。永久歯の中で最も早く生えてくる第一大臼歯や前歯は妊娠3~5ヶ月頃に歯胚ができ、あごの骨の中で時間をかけて成長していきます。生えかわりが始まる6歳頃には、永久歯の歯の頭が完成し、あごの中で生える準備をしています。乳歯は生後6か月ごろに下の前歯から生えはじめ、2歳半~3歳頃までに生えそろいます。上の歯が10本、下の歯が10本で計20本生えてきます。歯科医院では、前歯からアルファベット(A~E)と名前をつけて呼んでいます。ちなみに、永久歯は数字(1~7、親知らずは8)で示し、計28本親知らずを入れると32本生えてきます。

〈乳歯が抜ける時期は?〉
乳歯の生え代わる時期には個人差がありますが、一般的に小学生の間、6歳~12歳ごろに全ての乳歯が抜けて永久歯に生え代わります。始めに6歳ごろに下の前歯が抜けて内側から大人の歯が生えてきます。同時期に歯ぐきの一番奥から第一大臼歯(6歳臼歯)と呼ばれる奥歯の永久歯が生えてきます。生え代わりの方法として、下の歯は、内側から外側に永久歯が乳歯を押し出すように生えてきます。上の歯は、乳歯の歯根の真下から突き上げるように永久歯が生えてきます。前歯が生えて6か月から1年くらい過ぎるとその横の前歯が生え代わります。9歳から12歳くらいにかけては、横の奥歯が順次生え代わり、さらに、これらの歯の一番後ろに第2大臼歯(12歳臼歯)が生えて、永久歯の歯ならびが完成します。20歳頃になると、さらに後ろに親知らず(第3大臼歯)が生える場合もあります。永久歯に生え代わる順番は、①下の前歯、②上の前歯、③奥歯と言われていますが、個人差が大きいので生え代わりの順番が違ったとしても大きな問題はありません。

〈乳歯が生え代わるときのトラブルとは?〉
乳歯が生え代わるときは、ちょうどお子様が自立してくる時期でもありお口の中を詳しく見る機会が減ってくるかと思います。乳歯が生え代わるときのよくあるトラブルについて見ていきましょう。

◯乳歯が抜けないまま永久歯が生えてきた
乳歯が抜けていないにも関わらず、横から永久歯が生えてくることがあります。乳歯の歯並びは大きな永久歯が生えてくるスペースの確保のため、すき間が開いているのが正常です。ところが、近年あごの小さい子どもが増え、乳歯でも歯がくっついている歯並びが多くなっています。永久歯が生えるスペースが少ない場合、乳歯の隣から永久歯が生えてしまうことがあります。乳歯から永久歯に生え代わる場合、永久歯によって押されることによって乳歯の歯根が吸収してぐらぐらになってきます。乳歯が抜けずに永久歯が隣から生えてくると、乳歯の吸収がうまく行われず、乳歯の歯根が折れて歯ぐきの中に残ってしまうことがあります。また、乳歯が残っていると正しい位置に永久歯が並ぶことが出来ず、永久歯の歯並びが乱れることがあります。乳歯が抜けないまま永久歯が他の場所から生えてきたり、ぐらぐらの乳歯がずっと残ったまま永久歯が生えている場合は、一度歯科医院で相談してみるとよいでしょう。

◯乳歯が抜けた後永久歯が生えてこない
乳歯が抜けた後、永久歯が生えるまでには一般的に3ヶ月ほどかかると言われています。歯ぐきが膨らんでいたり、歯ぐきが白っぽくなったりしている場合は、永久歯がいずれ顔を出してきます。後続永久歯が生まれつきない場合(先天欠損、せんてんけっそんと言います)やあごの骨の中の病気(腫瘍など)によって永久歯が生えてこないことがあります。歯ぐきの中、あごの骨の中は肉眼では見えないので、乳歯が抜けた後、しばらくしても永久歯が生えてこない場合は、歯科医院でレントゲンの撮影などによって詳しい検査を受けてみると良いでしょう。

◯乳歯が抜けない
乳歯が抜けず、ぐらぐらもしてこない場合には、後続永久歯が生まれつきないことがあります。思春期を過ぎ、他の永久歯が生えそろっても乳歯が抜けない場合は、歯科医院でレントゲン撮影などで詳しい検査をしてみるとよいでしょう。

◯生えてきた永久歯の色がおかしい、形がいびつ
永久歯の歯胚は、3歳位までに乳歯の根の奥のあごの骨の中で作られます。乳歯の大きな虫歯があった場合、奥にある永久歯の色や形に影響を及ぼすことがあります。永久歯の色が白濁していたり、茶色に変色していたり、形がいびつな場合は正常に歯冠が作られておらず虫歯になりやすい状態になっていることがあります。高濃度フッ素塗布などで歯質の強化をしてくと良いでしょう。永久歯に影響が出るほどの大きな乳歯の虫歯にならないようにするために、乳歯のうちから定期的に歯科医院でチェックしてもらうと良いでしょう。

〈まとめ〉
乳歯の生え代わる時期には、歯並びが複雑になりお口の観察がしにくい時期でもあります。生えたばかりの永久歯は歯質が弱く深い虫歯になりやすいので、よく観察してうまく生え代わりが進むようにサポートしてあげましょう。



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