小児歯科ってどんなところ?
[2022年01月28日]
こんにちはMM歯科クリニック院長の山脇です。
子供のころの怖い体験から歯医者さん嫌いな方は多いのではないでしょうか?自分の体験から我が子は虫歯にならないようにと早めに歯医者さんに連れて行こうと思うお父さんお母さんは多いかと思います。実際に通わせようとしても、「何歳から行けばいいの?」「どこに行けばいいの?」と知らないこともたくさんあります。
お子さまの歯科医院を選ぶにあたって、「小児歯科」という専門があります。小児歯科ではどのようなことを行い、大人の治療と何が違うのでしょうか?
小児歯科とは?
小児歯科とは、乳歯が生え始める前から18歳前後の、親知らずが生え終わるくらいまでの年代が対象となります。子どものお口が大人と大きく違うことは、日々成長しているということです。お子さまの成長を見越した上での対応が非常に重要になります。例えば、大人だったら治療をする虫歯も、あえて削らず様子を見ることもあります。乳歯や生え変わりの複雑なお口の環境を理解し、子どもの成長を専門として扱う高度な専門機関です。小児歯科では、乳歯の治療だけではなく、将来を見据えた口腔ケア、セルフケアで予防していく方法をサポートしてくれます。
乳歯が悪くなると?
乳歯はいずれ抜けてしまうから大変な虫歯の治療はしなくてもいい、と勝手な判断で乳歯の虫歯を放置してしまうと以下のようなトラブルが起きることがあります。
乳歯の虫歯菌が増殖した状態が続くので永久歯も虫歯になりやすい
乳歯の虫歯には、もちろん虫歯菌がたくさんついています。その虫歯菌が虫歯でガタガタになった歯の表面で増殖します。歯の交換期になると、お口の中の虫歯菌が近くの永久歯について永久歯の虫歯になることがあります。特に生えたばかりの永久歯は表面が弱く、油断していると深い虫歯になってしまうことがあります。
奥歯でしっかりかめないことによりかみ合わせやあごの成長に影響が出る
子どものあごの骨は大人に比べて柔らかく、奥歯のかみ合わせの面が虫歯で欠けてしまうとかみ合う歯が伸びてきやすいです。かみ合わせは他の歯とのバランスなので、一度かみ合わせがおかしくなると全体の矯正治療が必要になることがあります。また、成長期にしっかり奥歯で噛むことができないと、あごの骨の成長に影響が出てしまいます。全身的にも、しっかり食事をして成長期に必要な栄養を摂取できないとからだの発育に悪い影響が出てしまいます。
乳歯の下に控えている永久歯に変形や変色が起きる
乳歯期には乳歯の根の下に永久歯のたまごが控えています。乳歯が大きな虫歯になり、乳歯の根の先までばい菌が繁殖するとその近くにある弱い永久歯のたまごが変形してしまったり、茶色や白濁して変色してしまったりすることがあります。
乳歯が虫歯で欠けたり、なくなったりすると永久歯が生えてくるスペースがなくなる
乳歯には次に生えてくる永久歯のスペースを確保するという役割があります。乳歯が虫歯で欠けてしまったり、早くになくなってしまうと永久歯が生えてくるスペースがなくなり歯ならびが悪くなるということが起きてしまいます。
乳歯はいずれ抜けてしまいますが、乳歯の治療も大切なんですね。成長期の乳歯を守るために小児歯科ではどのようなことを行うのでしょうか?
小児歯科で行うこと
乳歯の治療
乳歯は大人の歯と形や歯並びが違います。乳歯は永久歯に比べて歯質が薄く、歯の頭に対し根っこが長い傾向があります。そのため、乳歯の治療は永久歯よりも繊細な処置が必要になります。お子さまはお口が小さく、唾液も多いので精密な器具の操作が必要になります。また、お子さまの個性に合わせて短時間で治療を進める必要があります。
成長に合わせた口腔ケアの指導
乳歯が順番に生え始めるのが、生後6ヶ月頃です。前歯から順番に乳歯が顔を出し、2歳位までの間にすべての乳歯が生えそろいます。乳歯列期はお子さまの自我が芽生え始め、イヤイヤ期に突入する時期でもあります。ただし、この時期は離乳食から大人と同じものを食べ始め、虫歯リスクが高い時期でもあります。この時期にしっかりとしたお口の環境を整え、歯みがき習慣を作ってしまうと、将来お口のトラブルに悩まされにくくなります。小児歯科では、イヤイヤ期のお子さまの対応や食育を含めた育児相談に乗ってもらえることが多く、お母さんお父さんの気持ちも楽になることでしょう。乳歯が抜けてくるのが小学校低学年で、ここから大人の歯に生え変わります。生えたばかりの永久歯は虫歯になりやすいですが、お子さまが自立してくる時期でもあるのでなかなかお父さんお母さんの言うことを聞いてくれないということもあります。歯科医院で専門家の大人から指導してもらうことで素直に聞いてくれることがあります。
フッ素塗布やシーラントなど予防処置
小児歯科では将来の虫歯を作らないために、予防処置が積極的に行われます。一度できた虫歯は削り取ることしかなくなってしまいますので、早めに積極的に予防しましょう。