お子さんの歯を黄ばませない!黄ばみの原因とその対処法!

[2023年03月07日]

お子さんのお口の中を見て、「あれっ?歯が黄ばんでいる」と、気が付くこと、ありませんか。

お子さんの歯が黄ばむ原因は、いくつか考えられます。

また、その中には早めの治療が必要な場合もありますので、注意が必要です。

 

まずは、お子さんの歯の黄ばみの原因について見ていきましょう。

そして、ご家庭で出来る対策や、歯科医院で行う治療と予防処置についても、みていきましょう。

 

目次

1. 子どもの歯の黄ばみの原因

           ① 乳歯と永久歯の色調の違い

           ② 着色汚れによるもの

           ③ プラークによるもの

           ④ 虫歯によるもの

2. ご家庭で出来る対策

3. 歯科医院にて行う治療と予防処置

4. まとめ

 

 1.子どもの歯の黄ばみの原因

子どもの歯の黄ばみの原因には、大きく分けて4つあります。

 

①乳歯と永久歯の色調の違い

永久歯が生えてくると、隣の乳歯と比べて永久歯が黄色く見えてびっくりした経験をされた方は多いのではないでしょうか。

これは、特に異常ではありません。

永久歯は歯の色のもととなる乳白色~黄色味がかった象牙質の層が分厚いので、象牙質の層が薄く、透明感の強い乳歯と並べてみると黄色っぽく見えやすいのです。

永久歯の本数が少ないうちは、その色調が目立ちやすくなりますが、周囲の乳歯が生え変わっていくと目立たなくなりますので、ご安心ください。

 

②着色汚れによるもの

食べ物や飲み物に含まれる色素が歯の表面に沈着することがあります。

これがいわゆる、「着色汚れ」と呼ばれるものです。

着色に関しては、毎日の歯磨きでそのつど、しっかりと落としていくことが大切です。

時間が経ってしまうと、歯ブラシでは落とすことが出来なくなってしまいます。

カレーや色の濃いお茶など、着色しやすいものを摂取したあとは、特に気をつけて歯磨きをするようにしましょう。

 

③プラークによるもの

プラークとは、いわゆる細菌の集合体のことです。

もともとお口の中には細菌が存在し、その細菌が歯の表面にくっついて、増殖すると白っぽいネバネバした塊、すなわちプラークになります。

プラークは成熟してくると、オレンジ色っぽい色調に変化していくことがあり、特にお子さんによく認められます。

このようなオレンジ色のプラークは要注意で、プラークを除去すると、その下の歯の表面が溶けて虫歯になっていることも多いのです。

プラークを放置していると、表面にカルシウムが沈着することによって硬くなり、歯ブラシでは取り除けないものに変化していきます。

これが、歯石です。

歯石の表面はザラザラしているので、細菌や着色汚れが付着しやすく、層状に蓄積されていきます。

また、歯石の内部では細菌が酸を産生するために、歯が溶かされて虫歯を形成しやすい環境を作っていきます。

 

④虫歯によるもの

初期の虫歯はのっぺりとした白色に見えます。

虫歯が進行していくにつれて色が濃くなり、穴がポッカリ空いていくことが多いですね。

歯の表面の虫歯の場合は、白くザラザラした状態になりやすく、その上に着色やプラークが付着しやすくなります。

歯の着色の下には、虫歯が隠れていることも多いのです。

 

2.ご家庭で出来る対策

ご家庭で出来る対策は、毎日の歯磨きです。

お子さんが小さい時は、食後にしっかりと歯磨きを行うことで歯の黄ばみも予防でき、また、歯磨きの習慣もついてきます。

自分で歯磨きをするようになってからも、出来るだけ仕上げ磨きを行いましょう。

生え始めの永久歯は、特に虫歯になりやすい状態です。

永久歯への生え変わりの時期でもある小学生のうちは、出来るだけ1日1回は仕上げ磨きを行うようにしましょう。

その際、歯ブラシでは落とすことの出来ない黄ばみや、黄ばみの下の虫歯を発見したら、早めに歯科を受診するようにしましょう。

 

また、ご家庭で注意していただきたいのが、歯磨き粉の使用です。

「着色がつきやすいから・・・」と、大人の歯磨き粉をお子さんに使用してはいけません。

大人用の歯磨き粉には、研磨剤が配合されていることが多く、この研磨剤を乳歯や生え始めの永久歯に使用してしまうと、歯の表面に細かい傷が出来てしまいます。

表面の傷は着色汚れが付きやすくなるだけでなく、プラークもつきやすくなります。

繰り返し使用することによって、歯が削れて痛みが出る可能性もありますので、歯ブラシで磨いても落ちない着色は歯科医院に相談するようにしましょう。

 

 3.歯科医院で行う治療と予防処置

歯科医院では、①着色汚れ・プラーク ②虫歯 の2つに分けて処置を行います。

それぞれ、みていきましょう。

 

①着色汚れ・プラーク

着色汚れやプラークによる変色の場合、クリーニングを行いましょう。

クリーニングの際には、お口専用の器具を用いて清掃を行います。

着色だけでなく、プラークや、歯ブラシで落とすことの出来ない歯石などもしっかり除去していきます。

汚れを落としたあとで、再度虫歯が隠れていないかチェックすることも重要ですね。

ここで虫歯が確認された場合は、虫歯の治療へと進むことになります。

クリーニングの仕上げには、乳歯にも使用できる研磨剤を用いて歯の表面を磨いていきます。

それによって歯面の微細なデコボコをなくし、プラークや着色が再付着しにくい環境を整えていきます。

歯のクリーニングには、予防の意味も含まれているのです。

このようなクリーニングは、定期的に行うことをおすすめします。

着色がつきやすいところは歯ブラシが当たりにくいところの可能性が高いので、ブラッシング指導なども行っていくとより効果的です。

 

②虫歯

着色の原因が虫歯であった場合や、着色の下に虫歯が隠れていた場合は、虫歯の治療を行っていきます。

ごくごく小さなものを除いて、虫歯は自然治癒しません。

また、虫歯があることによって、その部位の細菌増殖が活発になり、周囲の歯にも虫歯が出来る可能性も高くなりますので、早めに治療していきましょう。

 

4.まとめ

・お子さんの歯の黄ばみの原因は、着色・プラーク・虫歯の3種類が考えられます。

ご家庭で出来る対策としては、毎日の丁寧なブラッシングになります。

永久歯と乳歯が混在する時期は、歯磨きが難しい時期でもありますので、お子さんが小学生のうちは、仕上げ磨きを行うようにしましょう。

ご家庭で落とせない着色汚れは、歯科医院に相談しましょう。

歯科医院で行うクリーニングは、着色汚れを落とすだけではなく、表面の形状を整えることによって着色の再付着を予防する役割もあります。

着色の原因が虫歯であった場合は、早めに虫歯の治療を行いましょう。

 

歯の黄ばみは着色汚れだけが原因とは限りません。

虫歯が隠れている可能性もあります。

虫歯の早期発見・早期治療は歯を大きく削るリスクを回避することができます。

また、プラークや着色汚れがつきやすい箇所は、普段の歯磨きで歯ブラシが当たりにくいところである可能性が非常に高くなります。

そのような箇所を確認し、ご家庭でも出来る歯磨きの仕方もお伝えさせていただけたらと思います。

 

お口の中で気になることがございましたら、いつでもご相談ください。

定期的な検診・クリーニングもおすすめいたします。

 



mapを見る

電話をかける