自費治療?保険治療?お子さんの将来を考えどちらの治療が良いのか?

[2024年03月22日]

我が国の医療制度は、大きく分けると健康保険が使える保険診療と、そうでない自費診療に分けることができます。

これは、お子さん向けの歯科である小児歯科でも同じです。

自費診療というとセラミックやインプラントというイメージがあると思いますので、小児歯科で自費診療と言われてもピンとこない方も多いのではないでしょうか。

今回は、小児歯科での保険診療と自費診療についてご紹介します。

この記事を最後までお読みいただければ、小児歯科での保険診療と自費診療の違いがわかり、お子さんの将来にどのような効果があるのかもお分かりいただけると思います。

 

目次

◯保険診療と自費診療の違い
 ◆診療の対象の違い
 ◆治療費の違い

◯小児歯科の保険診療と自費診療
 ◆保険診療で受けられる治療
 ◆自費診療となる治療

◯自費診療のもつ将来の健康への効果
 ◆歯を守る
 ◆歯並びを整える
 ◆全身の健康を守る

◯まとめ

 

◯保険診療と自費診療の違い

小児歯科だけでなく医療全般の保険診療と自費診療の違いから解説します。

◆診療の対象の違い

保険診療と自費診療とでは、診療の対象も異なります。

▶︎保険診療の対象

小児歯科に限らず、保険診療は病気の治療に適用される医療制度です。

病気になってから病気の治療をするわけですから、病気にならないようにする”予防”は保険診療で受けることは認められていません。

また、保険診療を受けられるのは、保険医療機関として認定された病院やクリニック、歯科医院のみです。

 

▶︎自費診療の対象

自費診療なら病気の予防や美容を含め、あらゆる医療を受けることができます。

この中には病気の治療も含まれており、自費診療で病気の治療を受けることもできます。

しかし、保険診療の制度上、保険医療機関が保険診療で受けられる処置を自費診療ですることは認められていません。

このため、保険医療機関では自費診療で病気の治療をすることはほとんどありません。

 

治療費の違い

治療費も保険診療と自費診療では異なります。

 

▶︎保険診療の治療費

保険診療なら窓口でお支払いになる金額が、原則的に医療費の3割になるので、元々の医療費の安さと相まって、非常に低コストで医療を受けることができます。

最近では、子供さんの治療費を負担する自治体も増え、窓口での支払い金額がゼロになるところも多くなってきました。

 

▶︎自費診療の治療費

自費診療はそれぞれの医療機関が独自に診療費を設定している上、全額受けた方が支払わなくてはなりません。

元々の治療費が高く設定されている場合がほとんどなので、窓口でのお支払い金額が高額になってしまいます。

 

 

小児歯科の保険診療と自費診療

小児歯科での保険診療と自費診療の違いについて説明します。

保険診療で受けられる治療

小児歯科での保険診療というと、虫歯治療がトップに挙げられます。

また、お子さんを対象としていることから、歯のケガの治療、永久歯への生え替わりに伴う抜歯もあります。

歯肉炎の治療として歯石除去やPMTCという歯の掃除、歯磨き方法のご説明も行われます。

 

自費診療となる治療

一方、小児歯科での自費診療というと、まず挙げられるのが虫歯予防、そして矯正治療です。

虫歯予防では、歯のフッ素塗布や歯のクリーニングがよく知られていますが、その他、歯の表面のくぼみや溝をプラスチック材料で埋めるシーラントという処置も行われます。

 

自費診療のもつ将来の健康への効果

自費診療と保険診療を比べて、お子さんの歯やお口の健康への効果を説明します。

歯を守る

まず挙げられるのが、虫歯予防による歯を守る効果です。

▶︎自費診療

自費診療なら虫歯にならないように予防できます。

予防処置をすれば必ず虫歯にならないというわけではありませんが、しない方より虫歯になりにくくなります。

虫歯になってしまったところは弱くなる一方です。

小さな頃に虫歯を予防できれば、何十年という長い人生で歯を長く保つことができます。

 

▶︎保険診療

保険診療では、虫歯になってから治療を始めます。

虫歯になる前にできることはありません。

一度虫歯になって失われたところは、もう二度と戻ってきません。

人工材料で埋めて治しても、隙間から虫歯が再発し、さらに歯が小さくなります。

これを繰り返すと、最終的には歯がなくなってしまいます。

 

歯並びを整える

続いて、歯並びへの効果という点から比べてみます。

▶︎自費診療

自費診療なら、小さな頃から矯正治療を受けられます。

小さな頃から受けると、全体的な治療期間は長くなりますが、大人になってから受けるより後戻りを起こしにくくなります。

また、顎の骨格の成長方向を誘導できるので、顎の骨格の形や大きさも整えやすいです。

成長が終わってしまうと、顎の形や大きさを整えるためには、骨切り手術を受けなければなりません。

成長期から受けていれば、歯並びを長期にわたって保てる上、骨切り手術をしないですむ可能性も高まります。

 

▶︎保険診療

歯並びを整える矯正治療は、美容の一環とみなされているので、原則的に保険診療では受けられません。

 

全身の健康を守る

小児歯科と健康というと関係なさそうですが、必ずしもそうとは限りません。

▶︎自費診療

お口の癖は歯並びに影響しやすいのですが、それだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。

例えば、口呼吸です。

ヒトは、本来鼻で呼吸する生き物です。

ところが、口で呼吸する癖がついてしまうことがあります。

口呼吸の悪影響は、お口の中が乾燥し、唾液の持つ抗菌作用や洗浄作用が失われ、虫歯や歯周病になりやすくなるだけではありません。

近年、アトピーや喘息、アレルギー性鼻炎、慢性的な鼻詰まりなどに口呼吸が関係していると考えられるようになっています。

自費診療なら、口呼吸をはじめ、さまざまなお口の癖の解消もできますので、全身の健康増進という効果も得られます。

▶︎保険診療

癖は病気ではないので、保険診療では対処することができません。

 

まとめ

今回は、小児歯科での保険診療と自費診療の違いとお子さんの将来への効果についてお話ししました。

小児歯科の保険診療は、主に虫歯やケガなど、何かトラブルが発生してからの治療になります。

一方、自費診療なら、歯やお口にトラブルが発生する前に、トラブルそのものが起こらないようにします。

このため、歯の健康増進、歯並びの改善、全身の健康増進など、保険診療にはない効果が得られます。

当院は、保険診療の枠にとらわれない、お子さんの将来の健康を考えた診療に取り組んでいます。

治療費は高いですが、かけがえのないお子さんの健康を守るなら、自費診療もぜひご検討ください。

 



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