矯正治療は子供のときからの開始がおすすめ

[2022年07月15日]

こんにちは

 

MM歯科の山脇です。

 

歯列矯正というと大人が受けるイメージがあると思いますが、実は子供を対象とした歯列矯正もあります。

それは小児矯正です。

小児矯正とはどのような歯列矯正なのでしょうか。

今回は、小児矯正についてお話しします。

 

小児矯正とは

小児矯正とは、子供を対象とした歯列矯正です。

成長に合わせて適切な噛み合わせになるように歯の生え変わりを誘導するという意味から、咬合誘導ともよばれます。

大人の歯列矯正との違いは、成長発育という子供の時代だけに得られる特徴を利用できるという点にあります。

 

小児矯正は2段階

小児矯正は1期治療と2期治療の2段階で行います。

1期治療では、顎の骨の成長発育をコントロールし、顎の骨のサイズや形が理想的な状態になるようにします。

この時点では、歯並びをきれいに整えるわけではありません。

2期治療になってから、歯並びをきれいに整えます。

 

小児矯正に適した年齢

小児矯正では顎の骨の成長発育を利用するわけですが、遅すぎると成長発育を利用できません。

男子では7~11歳ごろ、女子では6~10歳ごろから小児矯正を始めると成長発育の効果を十分利用できます。

なお、成長発育のピークは、男子で14~15歳ごろ、女子で12~13歳ごろと言われています。

 

小児矯正のメリット

小児矯正には、次のようなメリットがあります。

 

抜歯のリスクが減る

小児矯正では、顎の骨の成長方向を適切にコントロールすることで、歯の生え替わりに合わせて、歯の生えるスペースを確保できます。

大人になってからの歯列矯正では、顎の骨は成長を終えているため、歯を並べるスペースを確保するためには、いずれかの歯を抜歯してスペースを確保するしかありません。

全ての歯には役割があるので、できることなら抜歯せずに歯並びをきれいにしたいところです。

小児矯正なら、抜歯のリスクを大幅に減らすことができます。

 

歯並びを悪くする癖を治せる

歯並びが悪くなる原因はいろいろありますが、その一つに癖があります。

例えば、舌を前に出す舌突出癖があれば、開咬という上下の前歯が噛み合わせられない状態になったり、受け口になったります。

この他にも、口呼吸、唇を噛む癖、頬杖など、いろいろな癖が歯並びを悪くしますが、大人になってからこうした癖を治すのはとても難しいです。

小児矯正なら、小さいうちから歯並びを悪くする癖を治せるので、大人になってから歯並びが再び悪くなるリスクを減らせます。

 

虫歯や歯周病のリスクが減る

虫歯や歯周病の原因は、歯の表面についているプラークという白いカスです。

プラークの中には、虫歯や歯周病の原因菌がたくさん潜んでいるため、日々の歯磨きでプラークを取り除くことは、虫歯や歯周病を予防する上でとても大切です。

ところが、歯並びが悪いと歯磨きをしっかり行うのはとても難しいです。

小児矯正で歯並びをきれいに整えておくと、歯磨きしやすくなるため、虫歯や歯周病のリスクを減らせます。

 

顎の骨格の歪みの予防

小児矯正では、顎の骨の成長をコントロールします。

成長が弱い場合は成長を加速させ、成長が過ぎる場合は成長を抑えます。

こうして、顎の骨格が理想的な状態になるようにします。

成長が終わってからでは顎の骨の形は骨切り手術でしか変えられません。

顎の骨切り手術はとても侵襲が強い大変な手術です。

小児矯正を受けておけば、骨切り手術をすることなく顎の骨の骨格が歪まないようにコントロールすることができます。

 

歯並びにコンプレックスを感じることがなくなる

小さい頃は歯並びにコンプレックスを感じていなくても、大きくなるにつれて歯並びの悪さに気がつくとコンプレックスを感じるようになります。

小児矯正を受けて小さい頃から歯並びを整えておけば、歯並びにコンプレックスを感じるようなことはありません。

 

後戻りのリスクが低い

歯列矯正には後戻りという、歯並びが元の状態に戻ろうとするリスクが避けられません。

後戻りのリスクという点では、これは小児矯正も同様にあります。

ですが、小さな頃から歯を理想的な位置に整えることで、その歯並びでの噛み合わせに早い段階で馴染むことができるため、大人の歯列矯正と比べると後戻りを起こすリスクが低くなります。

 

小児矯正のデメリット

小児矯正にはメリットだけでなくデメリットもあります。

 

治療が長期にわたる

小児矯正は、子供の成長発育を利用するため、成長発育が続いている間は治療が続きます。

多くは10代の後半までは治療が続くため、仮に理想的な年齢である7歳ごろから小児矯正を始めると治療期間が10年ほどにもなります。

大人の歯列矯正の治療期間は2~3年ほどなので、治療期間が長期化するのは、小児矯正のデメリットのひとつといえます。

 

本人の協力が不可欠

小児矯正の方法はいろいろありますが、例えばマウスピースのように取り外しするタイプもあります。

取り外しタイプは、装着時間が長ければ長いほど効果が出るのですが、言い方を変えると装着時間が短いと効果が得られません。

子供さんが嫌がったり面倒くさがったりして、つけてくれなければ効果が出ないので、子供さん本人の協力がとても大切です。

 

歯根吸収のリスクがある

小児矯正では成長途上の歯に矯正力が加わります。

成長途上の歯は、成長を終えた歯と比べると、外力への抵抗力が低い傾向があります。

歯に過度な矯正力が加わると、歯根が吸収されることがあり、この点、大人の歯列矯正と比べるとリスクが高くなります。

 

まとめ

今回は、小児矯正についてお話ししました。

小児矯正は、子供の成長発育を利用した歯列矯正です。

顎の骨の成長発育をコントロールする点に特徴があり、

①抜歯のリスクを減らせる

②歯並びを悪くする癖を治せる

③虫歯や歯周病のリスクを減らせる

④顎の骨格の歪みを防げる

⑤歯並びのコンプレックスを防げる

などの多くのメリットがあります。

一方、

①治療期間が長い

②歯根吸収のリスク

などのデメリットもあります。

小児矯正では、大人の歯列矯正とは違った知識や経験が求められます。

当院は、小児矯正の専門的な知識や経験が豊富な歯科医院です。

小児矯正にご関心のある方は、当院でぜひご相談ください。

 



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