永久歯の前歯が足りない先天欠如歯への小児矯正の対応

[2025年02月15日]

こう話すと驚く方も多いのですが、今、日本人の10人に1人くらいの割合で、永久歯の歯が生まれつき不足している方がいらっしゃいます。

永久歯の歯が生まれつきない状態を先天性欠如、その歯を先天欠如歯といいます。

先天欠如歯はどこに生じるかによって、見た目や噛み合わせへの影響に差が出ます。

特に前歯部に先天欠如歯が生じると、見た目に大きな影響を与えるため、なるべく早い段階での対応が望まれます。

今回は、前歯部に生じた先天欠如歯について、対処方法を含めてご紹介します。

この記事を最後までお読みいただければ、前歯部の先天欠如歯をどうすればいいのかお分かりいただけると思います。

目次

  • ◯前歯の先天性欠如について
    •  ◆生じやすいところ
    •  ◆見つける方法
    •  ◆上顎前歯部の先天性欠如の原因
  • ◯前歯部の先天性欠如の問題点
    •  ◆元の乳歯が長持ちしない
    •  ◆真ん中のずれ
    •  ◆隙間ができる
    •  ◆見た目の違和感
  • ◯前歯部の先天性欠如への対応
    •  ◆早期発見に努める
    •  ◆仮歯を入れる
    •  ◆顎の骨の拡大治療
    •  ◆そのまま様子をみる
    •  ◆犬歯を前に移動させる
    •  ◆犬歯を後ろに下げる
  • ◯まとめ

前歯の先天性欠如について

まず、前歯の先天性欠如について解説します。

◆生じやすいところ

前歯部の先天性欠如は、上顎、中でも真ん中から数えて2番目にあたる側切歯に生じやすい傾向がみられます。

先天欠如歯は第二小臼歯(5番目の歯)に最も生じやすく、上顎の側切歯はその次に多いとされています。

片方だけ欠如していることもあれば、左右両方とも欠如していることもあります。

◆見つける方法

前歯部に限らず、永久歯の先天性欠如が起こっているかどうかは、肉眼では分かりません。

レントゲン写真を撮影して初めて分かるものなので、先天欠如歯を見つけるにはレントゲン写真を撮影するしかありません。

◆上顎前歯部の先天性欠如の原因

先天欠如歯がどうして起こるのかは、今のところよくわかっていません。

遺伝や妊娠中の栄養不足など、いろいろな説がありますが、先天欠如を防ぐ方法は現在なく、ご家庭で何か気をつけておくこともありません。

前歯部の先天性欠如の問題点

前歯部に先天欠如歯が生じると、次のような問題が起こります。

◆元の乳歯が長持ちしない

最も頻度が高い第二小臼歯の先天性欠如では、もともと生えている第2乳臼歯が比較的しっかりしているので、この歯が永久歯の代わりになってくれます。

ところが、前歯部の先天欠如歯の場合、乳歯は奥歯ほど強くないため、抜けてしまうことが多く、永久歯の代わりになることが難しいです。

◆真ん中のずれ

もし、先天性欠如が右側だけ、または左側だけに生じると、前歯の真ん中がずれてしまいます。

特に上顎前歯部の側切歯に先天欠如が起こると、上顎と下顎の前歯の真ん中の位置が合わなくなることがあります。

◆隙間

上顎の側切歯に先天性欠如が生じると、中切歯と犬歯の間に隙間ができることがあります。

◆見た目の違和感

上顎の側切歯に先天性欠如が生じると、中切歯の隣に犬歯が並びます。

本来、大小の長方形の歯が並ぶはずが、長方形と三角形(犬歯)が並ぶことになるため、上顎の前歯の見た目に違和感が生じます。

前歯部の先天性欠如への対応

続いて、前歯部に先天性欠如が生じたときの対応策についてお話しします。

先天性欠如といっても、症状は多彩なので、ここに挙げるのはあくまでも一例です。

◆早期発見に努める

先天性欠如があるかどうかを早く知ることが大切です。

早く気づくことができれば、それだけ治療の選択肢が広がるからです。

特に何らかの症状がなくても、10人に1人と比較的高頻度で生じるので、早めにレントゲン写真を撮影し、確認してもらうことをおすすめします。

◆仮歯を入れる

前歯の先天欠如歯の場合、元の乳歯は長持ちしません。

乳歯が抜けてしまったら、歯並びがずれないうちに仮の歯を入れることで、永久歯の歯並びがずれるのを防ぐことができます。

◆顎の骨の拡大治療

仮に上顎の側切歯が先天性欠如だったとします。

乳歯が抜けてしまっても、中切歯と犬歯の間にあまりスペースがないという場合は、拡大治療(顎の骨を広げる治療)を行い、中切歯と犬歯の間にスペースを確保することがあります。

拡大治療後に得られたスペースには仮歯を入れて見た目とスペースを維持します。

そして、成長が終わるのを待ってからインプラントなどの別の治療を受けることで、歯の本数を適切に合わせることができます。

拡大治療は成長期である小学生の頃に効果的なため、それまでの間に受けることをおすすめします。

◆そのまま様子をみる

例えば、上顎の側切歯が左右両方とも先天性欠如していても、中切歯と犬歯が隙間なくきれいに並んでいることも珍しくありません。

見た目の問題を除いて日常生活に支障がない場合は、そのまま様子をみることもあります。

◆犬歯を前に移動させる

中切歯と犬歯の間に隙間があるけれど、中途半端な隙間のために歯を入れることができない場合や、年齢的に顎の拡大治療が難しい場合には、犬歯を前に動かして隙間を塞ぐ方法もあります。

◆犬歯を後ろに下げる

先ほどの逆の方法として、犬歯の後ろの永久歯を抜歯するなどしてスペースを確保し、犬歯を後ろに移動させて中切歯と犬歯の間の隙間を広げるという方法です。

その隙間に、インプラントなどを入れて見た目と噛み合わせを改善します。

まとめ

今回は、お子さんの前歯に先天性欠如が生じた場合の対応についてお話ししました。

永久歯の先天性欠如は、10人に1人と比較的高い頻度で発生し、年々増加していることが指摘されています。

先天性欠如の原因はまだ明確には解明されていませんが、早期発見できれば治療の選択肢が広がることは間違いありません。

特に小さいうちに発見できれば、

  • 仮歯でスペースを確保する
  • 小児矯正で拡大治療を行う

などの抜歯以外の選択肢で歯並びをきれいに整えられる可能性があります。

当院は、小児矯正の専門知識や経験が豊富な歯科医院です。

先天欠如歯など、お子さんの歯並びについて心配や不安のある方は、ぜひ当院でご相談ください。



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