歯周病と糖尿病の関係
[2013年11月19日]
こんにちは、MM歯科クリニック院長の山脇です。
歯科医院には歯周病でお困りの方もよくいらっしゃいますが、既往歴を伺ってみますと、糖尿病の既往歴をお持ちの方が多く見受けられます。
近年の研究では、歯周病の治療とメンテナンスが、糖尿病の血糖コントロール改善に関係することが報告されており、糖尿病と歯周病の間の関連性が注目されています。
報告でははっきりと、(糖尿病の人は、歯周病にかかりやすく重症化しやすい)となっております。
糖尿病が進行し高血糖状態が続くと、体の中の防御反応が低下して感染症にかかりやすくなります。
現在、成人の8割が発症している歯周病も、細菌感染を原因とする感染症の一つです。
そのため、糖尿病の方は健康な方に比べ、歯周病にかかる確率が2倍以上高く、重症化しやすいのです。
また、反対に、歯周病が悪化すると糖尿病も悪化しやすくなります。
歯周病が進行すると、歯周病菌から出される内毒素のTNF-α(腫瘍壊死因子)という物質が分泌されます。そして、血管中のTNF-αが増加するとインスリンの働きが低下するため、血糖値が上昇してしまい糖尿病の悪化へと繋がります。
また、糖尿病の方が重度の歯周病になった場合、軽度の歯周病に比べ、2年後に糖尿病が悪化している確率が5倍高くなると言われており、特に注意が必要です。
実際、私の臨床経験でも、歯周病の治療に苦労していた方が、薬と運動療法や食事療法を取り入れ、血糖値のコントロールが出来ただけで歯周病の大幅な改善が見られた方を何人も診きました。
糖尿病はいわゆる生活習慣病ですので、日頃の生活習慣を改めるのは大変ですが、両方重篤になると生活自体に支障を来すようになってしまいますので、頑張りましょう。
もちろん、当医院でも歯周病のメインテナンスはしっかりさせて頂きますし、医科との連携をはかって治療を進めさせて頂きます。