小児歯科のレントゲンは安全?成長に悪影響はない?

[2023年12月14日]

小児歯科では、虫歯や歯列矯正のためにレントゲン撮影を行うことがあります。

 

しかし、レントゲンは放射線を使って撮影するため、

子どもの発育に悪影響がないか心配になる親御さんも多いと思います。

 

今回は、小児歯科でのレントゲン撮影の安全性などについてお話させて頂きます。

是非参考にして下さい。

 

目次

◯小児歯科でレントゲン撮影をする理由

◯小児歯科のレントゲンは安全?

 ◆自然界では

 ◆歯科医院では

◯成長に悪影響はない?

◯レントゲン撮影をする際の注意点

◯まとめ

 

小児歯科でレントゲン撮影をする理由

虫歯が見つけにくく進みやすいからです

子どもの歯は大人の歯と比べて虫歯が見つけにくいです。

子どもの歯は歯そのものが小さく、
顎も小さく口の中が狭いため、
目視では隙間や深部にある虫歯を発見しにくいです。

また、乳歯は永久歯よりもエナメル質が薄く、
象牙質が柔らかいため、虫歯がすばやく進行しやすいです。

そのため、乳歯は穴が開く前に神経まで達してしまうこともあります。

このように、子どもの虫歯は目視では発見しづらく、
進行すると重篤な症状を引き起こす可能性があります。

そこで、小児歯科ではレントゲン撮影を行って、
隠れた虫を早期に発見することが重要です。

また、レントゲン撮影は虫歯だけでなく、
永久歯の生え方や顎骨の発育状況なども確認することができます。

これらは歯列矯正や抜歯などの治療計画を立てる際に必要な情報です。

 

◯小児歯科のレントゲンは安全?

自然界では

次に、小児歯科でレントゲン撮影をする際の安全性について説明します。

レントゲン撮影ではX線という放射線を使って画像を作りますが、
この放射線は人体に影響を与える可能性があります。

放射線は細胞のDNAにダメージを与えることがあり、
その結果、癌や遺伝子異常などのリスクが高まることがあります。

しかし、このリスクは放射線の量や種類、
時間などによって大きく変わります。

すべての放射線が危険なわけではありません。

実は、私たちは日常生活の中で自然界から放出される自然放射線や、
食品や空気中に含まれる放射性物質からの内部被曝などによって、
常に放射線を浴びています。

これらは避けることができない背景放射線と呼ばれ、
日本では平均して年間約
1.5ミリシーベルト(mSv)の放射線量を受けています。

この程度の放射線量は人体に影響を与えるレベルには達していません。

歯科医院では

では、小児歯科でのレントゲン撮影ではどれくらいの放射線量を受けるのでしょうか?

小児歯科でよく使われるレントゲン撮影の種類は、
歯や顎骨の一部を撮影するデンタルレントゲンと、
歯や顎骨全体を撮影するパノラマレントゲンです。

デンタルレントゲンでは1回あたり約0.010.03mSv
パノラマレントゲンでは約
0.020.04mSvの放射線量を受けます。

これらは背景放射線の約1/501/100程度です。

また、近年ではデジタルレントゲンという技術が普及しています。

デジタルレントゲンはセンサーの感度が高く、
フィルムレントゲンよりも低いエネルギーの
X線で撮影できます。

そのため、デジタルレントゲンではフィルムレントゲンよりも
10分の1程度の放射線量で済みます。

デジタルレントゲンでは1回あたり約0.0010.003mSvの放射線量を受けます。
これは背景放射線の約
1/5001/1000程度です。

 

成長に悪影響はない?

以上からわかるように、
小児歯科でのレントゲン撮影で受ける放射線量は非常に少なく、
身体や発育に悪影響を及ぼすことはほとんどありません。

実際に、小児歯科でのレントゲン撮影と癌や遺伝子異常などのリスクとの
関連性を示す科学的なエビデンスはありません。

また、小児歯科で行うレントゲン撮影は必要最低限に抑えられており、
不要な場合は行われません。

さらに、小児歯科では子どもに合わせた
撮影方法や防護服を用いて、
放射線の影響を最小限に抑える工夫をしています。

 

レントゲン撮影をする際の注意点

小児歯科でレントゲン撮影をする際の
注意点について説明します。

小児歯科でのレントゲン撮影は
安全であると言っても、
無闇に多くの回数を行うことは避けるべきです。

放射線の影響は累積するため、
必要以上に受けることはリスクを
高める可能性があります。

そのため、小児歯科ではレントゲン撮影の回数や
間隔を決める際には、以下のような基準を参考にしています。

 

・虫歯や歯周病などの治療中では、デンタルレントゲンを6ヶ月に1回程度行う。

・歯列矯正や抜歯などの治療計画では、パノラマレントゲンを1年に1回程度行う。

これらはあくまで目安であり、
個々の状況や必要性に応じて変わる場合があります。

小児歯科では、
レントゲン撮影を行う前に必ず親御さんに
説明や同意を求めます。

 

また、レントゲン撮影の結果や意味も
親御さんに分かりやすく説明します。

 

もし何か不明な点や不安な点があれば、
遠慮なく歯科医師に質問してください

 

まとめ

小児歯科でのレントゲン撮影は、
虫歯や歯列矯正などの治療や診断のために必要なものです。

小児歯科で受ける放射線量は非常に少なく、
身体や発育に悪影響を及ぼすことはほとんどありません。

 

しかし、放射線は累積するため、
必要最低限に抑えることが大切です。

小児歯科では、
親御さんの同意や説明を得てからレントゲン撮影を行います。

 

もし何か気になることがあれば、気軽に相談してください。



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