子どもの出っ歯を放置するリスクとは?出っ歯の原因・治療法も解説!
[2024年10月14日]
子どもの出っ歯について心配ではありませんか?
出っ歯は見た目だけでなく、噛み合わせや発音、さらにはお口の中全体の健康にも影響を与えることがあるため、早めに対応することが望ましいです。
今回は、子どもの出っ歯の原因、治療のタイミングと方法についてお話します。正しい知識を身につけ適切に対応し、お子さまの健やかな成長をサポートしましょう。
目次
- ◯出っ歯とはどんな状態?
- ◯出っ歯の原因
- ◆遺伝
- ◆口呼吸
- ◆不適切な癖
- ◆歯の大きさと顎の大きさの不調和
- ◯出っ歯のデメリット
- ◆見た目の問題
- ◆噛み合わせの問題
- ◆発音の問題
- ◆歯の健康を害す問題
- ◯子どもの出っ歯を予防するには
- ◆出っ歯を引き起こす習慣の改善
- ◆定期的な歯科検診
- ◯子どもの出っ歯治療の時期
- ◆乳歯の評価
- ◆6~8歳頃の評価
- ◆10~14歳頃の評価
- ◯子どもの出っ歯を治療するメリット
- ◆見た目が良くなる
- ◆お口の機能が良くなる
- ◆お口の健康維持
- ◯まとめ
出っ歯とはどんな状態?
出っ歯とは、歯の噛み合わせの異常の一つで、上の前歯が下顎の前歯よりも著しく前に突き出ている状態を言います。
専門的には「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」とも呼ばれ、見た目の問題や、噛みづらいなどの機能の問題を引き起こすことがあります。
出っ歯の原因
なぜ出っ歯になるのでしょうか。その原因は様々なものが複雑に絡み合っています。
出っ歯になる主な原因を挙げてご説明します。
遺伝
歯並びやあごの骨の形は遺伝するため、親から子に特徴が受け継がれることがあります。
口呼吸
鼻ではなく口で呼吸する習慣があると、舌の位置が正常な位置(上あごについている)ではなく下がっています。
すると上あごに舌からの力が伝わらず上あごの幅が狭くなり、その分前に突き出て出っ歯になることがあります。
不適切な癖
指しゃぶりやおしゃぶり、舌を突き出して飲み込んだり、歯が抜けたところに舌を入れて遊んだりというような癖が原因で出っ歯になることがあります。
歯の大きさと顎の大きさの不調和
歯が大きすぎたり、あごが小さすぎたりすると歯があごにおさまりきらず、前歯が前方に押し出されることがあります。
出っ歯のデメリット
では出っ歯を放置するとどんなデメリットがあるでしょうか。
見た目の問題
笑ったときや話しているときに前歯が目立ち、見た目に影響を与えることがあります。
これが原因で自信を失い、対人関係や社会生活に影響を及ぼすことがあります。
噛み合わせの問題
しっかり噛み合わせられないため、食事の際に不便を感じることがあります。
これにより、食べ物をうまく噛み砕けない、特定の食べ物が噛みづらいといったことが現れます。
噛めないことで胃腸に負担がかかり、消化器の不調や消化不良を引き起こすことがあります。
また、噛み合わせの問題が原因で顎関節に過度な負担がかかり、顎関節症を引き起こすことがあります。
発音の問題
前歯が前に出ていると、「サ行」や「タ行」などの発音しづらい音があります。
歯の健康を害す問題
出っ歯の状態では、前歯に外から過度な力がかかりやすく、事故やスポーツなどで打撲したり損傷しやすくなる可能性があります。
また、出っ歯だと上下の前歯がかみ合わず、奥歯だけに力がかかるため、奥歯を損傷する可能性があります。
出っ歯で唇が閉じられない場合は、歯ぐきが乾燥し、むし歯や歯肉炎のリスクも上昇します。
子どもの出っ歯を予防するには
子どもの出っ歯を予防するために親ができることはあるでしょうか。
一つ一つ見ていきましょう。
出っ歯を引き起こす習慣の改善
口呼吸、指しゃぶりや舌の突き出し、鉛筆を噛む癖など、出っ歯を引き起こす習慣を早期に発見し、改善することで出っ歯の予防をすることができます。
食事の際の姿勢や、日常的な姿勢の癖も出っ歯を引き起こす可能性があるので注意が必要です。
定期的な歯科検診
定期的な歯科検診と適切な歯磨きで、歯の問題を早期発見し、管理・維持することが大切です。
子どもの出っ歯治療の時期
子どもの出っ歯が気になったとき、いつから治療ができるのでしょうか?
また、その方法はどんなものがあるでしょうか?
子どもの出っ歯の治療を始める適切なタイミングは、出っ歯の程度や原因によって異なります。
一般的には、以下のポイントをもとに開始します。
乳歯の評価
乳歯が生えそろう2歳半から3歳頃に一度歯科医院で診てもらい、どのような歯並びの傾向があるか知ることが望ましいです。
この時期にお口の中の健康状態をチェックし、早期の問題を発見し、対策していくことが重要です。
6~8歳頃の評価
6歳頃から大人の前歯が生え始め、出っ歯や他の歯並びの異常の傾向がわかるようになってきます。
また、前歯がだいたいすべて生えてきたら大人の歯がどのように並ぶか、並ぶスペースがあるかを予想できる時期です。
6~8歳頃に上あごの成長が活発になるため、上あごの骨ごと前に成長した出っ歯の場合、骨の成長をコントロールする必要があります。
成長をコントロールする治療はこの時期にしかできません。
この頃に行う治療を「第一期治療」と言います。
10~14歳頃の評価
10~14歳頃には大人の歯がほぼ生えそろう時期です。
矯正治療は大人の歯がきれいに並ぶことが治療のゴールなので、この時期に本格的に歯を動かす矯正治療を行います。
この頃に行う治療を「第二期治療」と言います。
子どもの出っ歯を治療するメリット
子どものうちから早めに出っ歯を発見し、治療するのはさまざまなメリットがあります。
見た目が良くなる
早めに治療を開始することで、口回りをコンプレックスに思うことがなくなり、子どもの自信を高めることができます。
お口の機能が良くなる
正しい噛み合わせになることで、食事しやすく、発音しやすく、お口を閉じやすくなり、社会性を高めます。
お口の健康維持
きれいな歯並びを獲得することで、歯磨きがしやすくなり、歯全体で力を分散できます。
また、口の乾燥を防ぐことでむし歯や歯周病の予防につながります。
まとめ
出っ歯は、遺伝的要因や不適切な習慣など、さまざまな原因で発生することがあります。
見た目的にも、機能的にも問題を引き起こすため、早めの診断と適切な治療が大切です。
矯正治療や口腔習慣の改善をすることによって、健康な歯並びを維持していきましょう。