ヘルペスは大人だけじゃない、子供さんのお口に現れるヘルペスとは?

[2023年10月12日]

生まれてしばらく経ったお子さんが、
急に発熱し、食欲が減り、お口の痛みを訴えることがあります。

もしかしたら、ヘルペス性歯肉口内炎
という病気になっている可能性が考えられます。

 

小さなお子さんが熱や食欲低下を
示すととても心配になると思います。

 

そこで、今回は、小さなお子さんに
起こりやすいヘルペス性歯肉口内炎についてご紹介します。

この記事をお読みいただければ、
ヘルペス性歯肉口内炎の原因や発症したときの対処法など
がお分かりいただけると思います。

 

目次

◯ヘルペスについて

 ◆ヘルペスウイルスについて

 ◆ヘルペスウイルスの特徴

 ◆ヘルペスウイルスの広がり方

 ◆ヘルペスの予防法

◯ヘルペス性歯肉口内炎

 ◆原因

 ◆年齢

 ◆症状

 ◆経過

 ◆治療法

◯ご家庭での注意事項

 ◆ウイルスの排出期間

 ◆食事

 ◆歯磨き

 ◆お風呂

 ◆けいれん

◯まとめ

 

ヘルペスについて

まず最初にヘルペスについてお話しします。。

ヘルペスウイルスについて

ヘルペスの原因であるヘルペスウイルスは、
数十種類あります。

全ての人に感染するのではなく、
単純ヘルペスウイルスと水痘帯状疱疹ウイルス、EBウイルス、サイトメガロウイルスの
4種類だけが感染します。

そして、お子さんのお口に関係するのは、
さらに限定され、このうちの単純ヘルペスウイルスになります。

 

ヘルペスウイルスの特徴

ヘルペスウイルスは、一度感染してしまうと、
体の中からウイルスがいなくなることはありません。

一生、体の中に潜んでいます。

しかし、ウイルスがいるからといって、
ずっとヘルペスの症状が出続けるわけではありません。

体力が低下したり、疲れがたまったりして、
抵抗力が低下したときだけ再発します。

言い方を変えれば、ヘルペスの症状がないからといって、
体内にウイルスがいないというわけではないのです。

ほとんどの方がヘルペスウイルスを保有していますが、
その90%は症状が現れない不顕性感染と言われています。

 

ヘルペスウイルスの広がり方

ヘルペスウイルスは、接触感染によって広がるウイルスです。

ヘルペスウイルスとの接触で広がります。

飛沫感染で広がることもあります。

 

ヘルペスの予防法

現時点では、ヘルペスウイルスの
ワクチンはありません。

したがって、ヘルペスウイルスを
予防する方法はないのが実情です。

 

 

ヘルペス性歯肉口内炎

お子さんのお口に現れやすいヘルペスが、
ヘルペス性歯肉口内炎です。

急性疱疹性歯肉口内炎とも言います。

ヘルペスウイルスに感染した場合の
初回症状として現れることが多いです。

 

原因

ヘルペス性歯肉口内炎の原因は、
単純ヘルペスウイルスの1型とよばれるタイプです。

 

年齢

ヘルペス性歯肉口内炎を起こしやすいのは、
生後6ヶ月から3歳ごろまでの小さなお子さんです。

 

大人になったら生じないのかというと
そういうわけではありませんが、
大人の発症は基本的に稀です。

どうして生後すぐに発症しないのかというと、
生後しばらくの間、
母親の抗ウイルス抗体を受け継いでいるので、
防御されるからです。

母親からの交代が消えるのが
生後6ヶ月くらいからなので、
生後6ヶ月以降で現れやすいのです。

 

症状

ウイルス感染からの潜伏期間は、およそ1週間です。

1週間を経たあたりから、
まず39℃前後の発熱、
そして全身的なだるさを認めます。

同時期にお口の中に、
小さな水ぶくれがたくさん発生します。

これらの水ぶくれは、
早いうちに潰れてしまい、
直径2〜3mmほどの口内炎となります。

この口内炎は、
他の口内炎とくっついていくので、
しばらくすると大きくなります。

この部分に触れると痛みますし、
血も出やすいです。

顎の下にあるリンパ節も腫れて痛くなります。

 

経過

ヘルペス性歯肉口内炎は、
およそ1〜2日ほどで、熱が下がります。

そして、7〜10日ほどで口内炎も治ります。

この間、食べにくかったり、
触れたら痛かったりするので、
機嫌が悪くなりますが、
多くの場合、自然に乗り切れます。

 

治療法

ヘルペス性歯肉口内炎の治療は、
水分補給と栄養補給が中心となります。

基本的に自然に治る病気なので、

大人のヘルペスのよう
抗ウイルス薬が処方されることはほとんどありません。

 

ご家庭での注意事項

お子さんがヘルペス性歯肉口内炎になっているときの
注意点についてお話しします。

 

ウイルスの排出期間

ヘルペスウイルスは、1〜数週間排出が続きます。

治ったと思っても、
まだ排出している可能性が高いので注意が必要です。

食器を分けるだけでなく、
顔や体を拭くタオル類も分けるようにすることが
感染拡大を防ぐために大切です。

手も石鹸できれいに洗うようにしてください。

 

食事

お口の痛みが強いと食事も摂りづらくなります。

飲み込みやすい、
口当たりが良いものを選んで
食べさせるようにしてください。

少しずつ与えるようにすると
刺激が少なくて食べやすいです。

なお、食べられない場合でも、
水分補給は忘れないようにしてください。

 

歯磨き

口内炎ができているときに歯磨きをすると、
お口が血まみれになるだけでなく、
かなり痛いので、
落ち着くまでは無理して歯磨きする必要はありません。

落ち着くまで歯磨きをしていなくても、

この期間だけで虫歯になる心配はありません。

その代わり、
食後はうがいをしてお口の汚れを
洗い流すようにしてください。

 

お風呂

お風呂は熱が下がり、
体調が回復してきたら入っても大丈夫です。

 

けいれん

もし、けいれんや意識障害を起こしたら、
早急に病院を受診してください。

 

まとめ

今回は、小さなお子さんの
お口に生じるヘルペスについてお話ししました。

お子さんのお口に生じるヘルペスは、
ヘルペス性歯肉口内炎といい、
ヘルペスウイルスに初めて感染したときに生じやすいです。

発症しても、発熱が1〜2日間、
口内炎が7〜10日間で落ち着きます。

その間、感染の拡大に注意しつつ、
お子さんの栄養と水分に注意してください。

無理に歯磨きする必要はありません。

当院は、小さなお子さんの歯やお口の
トラブルの専門知識や経験の豊富な歯科医院です。

お子さんの口内炎でお悩みの方は、当院でぜひご相談ください。

 



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