お子さんが虫歯になりやすい理由と虫歯を予防する方法
[2024年03月10日]
歯を失う原因は、大人と子供で違いがあり、大人は歯周病が多く、子供は虫歯が多いです。
このような違いがあるのは、大人より子供の方が虫歯になりやすいからです。
今回は、お子さんが虫歯になりやすい理由と虫歯を予防する方法についてご紹介します。
この記事を最後までお読みいただければ、虫歯になりやすくても、予防できる方法があることがお分かりいただけると思います。
目次
◯お子さんの歯が虫歯になりやすい理由について
◆歯の問題
◆歯磨きの問題
◯お子さんの虫歯を防ぐ方法
◆歯のクリーニング
◆フッ素塗布
◆歯磨き方法の説明
◆シーラント
◯まとめ
お子さんの歯が虫歯になりやすい理由について
お子さんに虫歯ができやすい理由を説明します。
◆歯の問題
歯そのものにも虫歯になりやすい原因が潜んでいます。
▶︎乳歯のエナメル質が薄い
歯の表面は、エナメル質という骨よりも硬い部分で歯冠を覆うことで、内部の柔らかい象牙質を守っています。
これは乳歯も永久歯も同じなのですが、乳歯は永久歯よりもエナメル質の厚みが薄くなっています。
このため、虫歯菌の作る酸にエナメル質が溶かされてすぐに穴が開いてしまうのです。
▶︎歯肉の覆い
歯はすぐに生えてくるのではなく、生え終わるまでしばらく時間がかかります。
生え始めて間もない時期は、歯が歯肉に一部覆われたままになっています。
歯の上に残った歯肉はいずれなくなりますが、なくなるまでの間、歯磨きをするとそこから出血したり、痛がったりして、歯磨きが困難になります。
このため、歯冠に一部残った歯肉にはプラークが残りやすく、虫歯にもなりやすいです。
▶︎生えて間もない歯は弱い
永久歯のエナメル質が乳歯より厚いといっても、生えて間もない時期のエナメル質はやわらかいので虫歯菌の酸によわいです。
エナメル質がしっかりしてくるまで生えてから2~3年かかると言われていますので、永久歯が生え終わってから2~3年ほど経つまで虫歯になりやすい時期が続きます。
◆歯磨きの問題
歯磨きの仕方についても注意が必要です。
▶︎歯磨きの習慣
特に小さなお子さんは、お口の中に異物が入ることを嫌がります。
歯磨きも同様で、泣き叫んで歯を磨かせてくれなければ、虫歯になりやすくなります。
また、中学校以上になると、保護者の方の目の届かないところで、お菓子を食べたり、ジュースを飲んだりする機会が増えます。
歯磨きも面倒くさがるようですと、それだけ虫歯のリスクも高くなってしまいます。
▶︎仕上げ磨きを嫌がり始める
子供さんは、手を大人ほど細かく動かせません。
軍手を2枚ほどはいてみてください。
きっと素のときのように手を動かせないはずです。
お子さんの手の動きはこれくらい難しいものなのです。
このため、歯磨きも大人ほどきれいにできないので、歯磨きのあと仕上げ磨きが必要です。
ところが、年齢が大きくなるにつれて、仕上げ磨きをすると聞くと、子供っぽく感じられて嫌がるようになり、磨き残しが増えるリスクが高まります。
こうして、虫歯になりやすくなります。
お子さんの虫歯を防ぐ方法
お子さんの歯を虫歯から守るのは、予防歯科の役割です。
◆歯のクリーニング
歯のクリーニングは、専用の器械とペーストなどを使って歯の表面の汚れやプラークを取り除く処置です。
大人の方だけでなく子供さんにも受けていただけます。
ただし、大人から見れば小さな器械でも、小さなお子さんにとっては大きく感じられますし、大人には問題ないペーストの味もお子さんは苦手かもしれません。
そのようなときは、歯ブラシで磨くなど、お子さんに合わせた無理のないクリーニング法を選びます。
◆フッ素塗布
フッ素塗布は、専用のフッ素製剤を直接塗る虫歯予防法で、歯科医院でしか受けられません。
フッ素には、虫歯菌の活動を抑えたり、酸に溶かされた歯を治したり、歯を酸に溶かされにくいように強くしたりする働きがあります。
フッ素入り歯磨き粉で歯磨きするのも虫歯予防にいいのですが、最も濃度が高い1450ppmのフッ素入り歯磨き粉は6歳未満には使えません。
ところが、フッ素塗布は違います。
1歳半でも大丈夫です。
しかも、フッ素入り歯磨き粉以上に、歯を強くするなどの虫歯予防の働きがあり、効果も数ヶ月続きます。
フッ素塗布の効果を保つため、フッ素を塗ってから30分くらいは食べたり飲んだりしないようにしてください。
◆歯磨き方法の説明
歯の形、大きさ、並び方はひとりひとり違うので、歯磨きの仕方も異なります。
そこで歯磨きの方法を説明します。
大人の方の場合はご本人に説明しますが、お子さんの場合は、小さいときは保護者の方に、大きいお子さんにはご本人と保護者の方、両方に説明します。
ご家庭で、ご本人だけでなく、保護者の方も効果的に仕上げ磨きができるようにします。
◆シーラント
歯の表面には、小さな溝や窪みがあります。
そこは、食べ物が入り込むとなかなか取れないので、虫歯の原因になってしまいます。
シーラントは、歯の表面の小さな溝や窪みをセメントやコンポジットレジンというプラスチックなどを使って埋めて塞ぐ処置です。
あらかじめ塞いでしまうことで、虫歯の発生箇所そのものを無くしてしまいます。
まとめ
今回は、お子さんが虫歯になりやすい理由と予防歯科での予防法について解説しました。
大人と比べるとお子さんに虫歯ができやすいのは、”乳歯のエナメル質が薄い””エナメル質がやわらかい”など歯の特性や、歯磨きに理由があります。
そこで予防歯科では、
①歯のクリーニング
②フッ素塗布
③歯磨き方法の説明
④シーラント
などを通して、虫歯予防に取り組みます。
当院は、虫歯予防の専門知識や経験が豊富な歯科医院です。
お子さんの歯を虫歯から守りたいとお考えの方は、当院でぜひ予防歯科を受けてみませんか?