あまり知られていない子供の頃から始める矯正治療の利点
[2022年01月07日]
こんにちはMM歯科クリニック院長の山脇です。
歯並びが気になったから、矯正治療を受けて歯並びをきれいに整えます。
しかし矯正治療は大人になってからするものと思っておられませんか?
実は子供の頃から始める矯正治療もあります。
そして子供の矯正治療には、大人の矯正治療にはない数多くの利点があります。
そこで今回は、子供の頃から始める矯正治療の特徴についてご紹介します。
■子供の矯正治療のメリット
結論から記載すると、子供の頃から矯正治療を受けると5つのメリットが得られます。
①抜歯のリスクを減らせる
②歯並びが悪くなることの予防
③顎の骨の成長をコントロールできる
④後戻りをおこしにくい
⑤永久歯列になってからの治療が容易
これらは、大人になってからでは得られないお子さん特有のメリットです。
詳しく一つずつ説明します。
①抜歯のリスクが低くなる
大人になってからの矯正治療では、歯を並べるスペースが足りない場合、歯を抜いて歯を並べるためのスペースを確保します。子供の矯正治療では、成長発育を利用し、骨自体を大きくすることができます。
そのため、歯をきれいに並べるために抜歯するリスクを抑えられます。
②歯並びが悪くなることの予防
例えば、乳歯がいつまでも残っていると次に生えてくる永久歯がきれいに並ばなくなってしまいます。
そこで子供の矯正治療では、乳歯を適切な時期に抜歯することで、次に生えてくる永久歯が順序よく生えてこれるようにします。
これはひとつの例ですが、子供の矯正治療では、お子さんの歯並びが悪くなる要素を取り除き、将来的な歯並びが悪くなることそのものを予防します。
③顎の骨の成長をコントロールできる
下顎の骨が成長しすぎると「骨格性下顎前突症」という下顎が前に大きく突き出た骨格になってしまいます。
反対に下顎の骨の成長が足りないと、顎が短くなってしまいます。
このような骨格自体の異常は、大人になってからでは骨切り手術でしか解消できません。
ところが、子供の頃から矯正治療を受けていると骨格の成長発育をコントロールできるので、骨格自体の異常が起こらないように予防できます。
ただし、年齢とともに骨の成長のコントロールは難しくなってきますので、ご注意ください。
④後戻りをおこしにくい
大人になってからの矯正治療でも歯並びはきれいに整えられます。
しかし、歯並びが悪くなった舌や頬、唇などのクセまでが正常な状態になっているとは限りません。
もし、こうしたクセが残ったままですと、後戻りを起こして、再び歯並びが悪くなってしまうリスクが高まります。
子供の頃から矯正治療を受けていると、噛み合わせの状態が改善されるに伴ってさまざまなクセも自然と解消されていくことが多いです。
歯並びに悪影響を及ぼすクセが解消されるため、子供の頃からの矯正治療を受けていると、後戻りを起こしにくくなります。
⑤永久歯列になってからの治療が容易
お子さんの歯は、乳歯だけの乳歯列、乳歯が抜けて永久歯に生え変わっていく混合歯列、永久歯だけになった永久歯列に分けられます。
大人の矯正治療では、永久歯を動かして並べていくのですが、子供の矯正治療では、骨が柔軟なので永久歯であっても動かしやすいため、治療の進行がよりスムーズです。
⑥コンプレックスの予防
子供のときには気にならなかったのに、大人になったら歯並びや顔のバランスの悪さが気になってしまい、コンプレックスに感じてしまうという方がおられます。
子供の頃から矯正治療を受けていれば、歯並びや顔のバランスが整えられますから、このようなコンプレックスを感じることが防げます。
■子供の矯正治療のデメリット
子供の矯正治療はさまざまなメリットがある反面、デメリットもあります。
(a)治療期間が長い
(b)お子さんの協力が不可欠
(c)歯磨きがしにくい
(d)歯根が溶ける
リスクこれらも、詳しく一つずつ説明します。
(a)治療期間が長い
大人の矯正治療は、症状によって差はありますが、おおむね2~3年ほどで終わります。
子供の矯正治療では、お子さんの顎の骨格の成長発育が終わる頃まで続けなければなりません。
個人差がありますが、高校生前後まで治療が続くことから、治療期間が長くなるというデメリットがあります。
(b)お子さんの協力が不可欠
一例を挙げると、子供の矯正治療では、取り外しタイプの矯正装置を使った治療がしばしば行われます。
取り外しタイプの矯正装置は、一定時間装着しておかなければ効果が得られません。
お子さん自身がつけ忘れたり、つけること自体を嫌がったりするようでは、矯正治療の効果が得られません。
(c)歯磨きがしにくい
これはお子さんに限った話ではないのですが、歯に接着するタイプの矯正装置では、歯磨きがとても難しくなります。
大人でもきれいにするのは難しいので、お子さんなら尚更です。
歯磨きがしにくいと、虫歯のリスクが高くなってしまいます。
(d)歯根が溶けるリスク
矯正治療で歯に加える力が適切でないと、歯の根が溶けて短くなってしまうことがあります。
■まとめ
今回は、子供の頃から始める矯正治療の特徴についてメリットとデメリットという観点からご説明しました。
子供の矯正治療には
①抜歯のリスクを減らせる
②歯列不正も予防
③顎の骨の成長をコントロールできる
④後戻りをおこしにくい
⑤永久歯列になってからの治療が容易
⑥コンプレックスの予防
などのメリットがあります。
反対に
(a)治療期間が長い
(b)お子さんの協力が不可欠
(c)歯磨きがしにくい
(d)歯根が溶けるリスク
などのデメリットもあります。
ですが、大人の矯正治療では得られない多くのメリットが子供の矯正治療では得られます。
当院では、子供の矯正治療も行っています。
お子さんの歯並びが気になる方など、ぜひ、当院でご相談ください。